ネスレ日本やサラヤなど、パッケージをハンカチに: 資源循環でタッグ

「地球に優しい」が使えなくなるーーグリーンウォッシュという新たな企業リスク

記事のポイント


  1. ネスレ日本はサラヤや神戸市など6団体と資源循環に関する協定を締結した
  2. 「ネスカフェ」など使用済み紙パッケージをハンカチにアップサイクルする
  3. 複合素材の紙パッケージはこれまで焼却されることが多かった

ネスレ日本は7月22日、サラヤや神戸市など6団体との協定を締結し、使用済み紙パッケージをハンカチなどにアップサイクルするプロジェクトを始めた。「ネスカフェ」や「ヤシノミ洗剤」などの紙パッケージが回収の対象だ。複合素材の紙パッケージはこれまで焼却されることが多かったが、新たな資源として活用することで、ごみの削減と循環型社会への移行を促す。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

「ネスカフェ」などの使用済み紙パッケージを資源にハンカチを作る

このプロジェクトに参画したのは、ネスレ日本(神戸市)、TOPPAN、一般社団法人アップサイクル(大阪市)、サラヤ(大阪市)、大本紙料(神戸市)、神戸市の6団体。回収の対象となるのは、「ネスカフェ」や「ヤシノミ洗剤」などの紙パッケージで、神戸市内4カ所の資源回収ステーション「エコノバ」に専用の回収ボックスを設置した。

神戸市にある資源回収ステーション「エコノバ」に設置した回収ボックス。設置期間は2027年3月31日まで

市民から回収した使用済み紙パッケージは資源としてアップサイクルし、ハンカチなどの製品として再生する予定だ。回収に協力した市民への配布も計画している。

この取り組みの基盤となるのが、一般社団法人アップサイクルが推進するプロジェクト「TSUMUGI(ツムギ)」だ。同法人は2023年にネスレ日本、神戸市、TOPPANなどが設立した組織で、現在は50を超える企業・団体が参画する。

ツムギでは、リサイクルが難しい複合素材の紙パッケージや未利用の間伐材を回収し、紙糸にする取り組みを行う。その紙糸でユニフォームやノベルティなどを作ってきた。

今回のプロジェクトでは、従来は「非資源紙」として焼却処分されていた紙パッケージを地域で回収し、新たな製品に生まれ変わらせる。企業だけでなく自治体や市民が参加することで、資源循環を身近な行動として定着させる狙いがある。

ネスレ日本など6団体は、今回の取り組みを通じて焼却ごみの削減だけでなく、市民の資源循環への意識向上や行動変容につなげたい考え。紙パッケージを「捨てるもの」から「循環する資源」へ転換する新たなモデルとして、他地域への広がりも期待だ。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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