サステナ経営塾2026:「社会の中での企業の役割・NGO/NPOとの協働による価値創造」町井則雄・シンカ代表取締役社長/オルタナ総研所長 講義

ゴミを資源へ。製紙会社の挑戦

記事のポイント


  1. 社会課題解決のパートナーとして、NPOの存在価値が高まる
  2. 一方、企業側には協働先の選び方が分からないなどの課題がある
  3. NPOとの価値共創に向けた「5ステップ」を提案する

株式会社オルタナは2026年6月17日に「サステナ経営塾」21期上期第2回を開催した。第1講では、シンカ代表取締役社長/オルタナ総研所長の町井則雄が「社会の中での企業の役割・NGO/NPOとの協働による価値創造」と題し講義した。講義の要旨をまとめた。

シンカ代表取締役社長/オルタナ総研所長 町井則雄

・日本は少子高齢化、人口減少、社会保障費の増大など、複雑な社会課題に直面している。2025年には団塊世代が全員後期高齢者となり、介護費は2012年度比で約2.3倍に増加。一方で、それを支える生産年齢人口は減少している。

・地方自治体の多くは国からの財政支援なしでは運営が難しい状況にあり、社会課題は一層深刻化している。政府だけでは解決できず、産官学民が連携する「総動」の発想が不可欠である。

・企業には、従来の「社会のニーズに応える」事業から、「社会課題をニーズ化する」事業への転換が求められる。自社の持続可能性だけでなく、社会の持続可能性にも貢献する事業を構想することが重要である。

・社会課題解決のパートナーとして、専門性や現場の知見を持つNPO・NGOの存在価値が高まっている。企業とNPOの連携も多様化し、社会課題を共に解決するパートナーへと位置付けが変化している。

・日本の企業とNPOの協働は、①寄付・支援型(1990年代)、②CSR連携型(2000年代前半)、③CSV・SDGs型(2015年前後)、④インパクト共創型(現在)へと発展してきた。現在は社会課題を本業に組み込み、インパクトを共同で創出する段階にある。

・CSR、CSV、SDGsは別々の流行ではなく、企業が社会課題を経営に統合していく一連の進化である。一方で、言葉だけが独り歩きすると、本質が見えにくくなり、ウォッシュやコストセンター化といった弊害も生じる。

・NPO側には、人材・資金・社会的信頼の不足という構造的課題がある。安定した基盤支援を受ける団体は少なく、スタッフ確保にも苦労している。

・企業側にも、協働先の選び方が分からない、ROI(投資対効果)の説明が難しい、成果をどう測定すればよいか分からないなどの課題がある。

・NPOとの価値共創に向けては、①自社のマテリアリティとNPOの専門領域を照合する、②デューデリジェンスを標準化する、③小規模な協働から始めインパクト指標を共同設計する、④CSR部門だけでなく事業部門や人事など社内横断で取り組む、⑤成果を情報開示やブランド、経営に統合する――という5つのステップが重要である。

・町井氏は、「CSRやSDGsという言葉ではなく、社会課題をいかに経営へ統合し、企業変革につなげるかが本質である」と強調した。企業とNPO・NGOの協働は、社会貢献活動ではなく、企業価値と社会価値を同時に創出する経営戦略として位置付けることが求められている。

susbuin

サステナ経営塾

株式会社オルタナは2011年にサステナビリティ・CSRを学ぶ「CSR部員塾」を発足しました。その後、「サステナビリティ部員塾」に改称し、2023年度から「サステナ経営塾」として新たにスタートします。2011年以来、これまで延べ約700社900人の方に受講していただきました。上期はサステナビリティ/ESG初任者向けに基本的な知識を伝授します。下期はサステナビリティ/ESG実務担当者として必要な実践的知識やノウハウを伝授します。サステナ経営塾公式HPはこちら

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キーワード: #サステナ経営塾

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