記事のポイント
- ガザで被害がなく立ち入り可能な耕地は、全体の3%に減少した
- イスラエル軍の支配地域拡大で、農地へのアクセスが悪化している
- 農業資材の不足に加え、人道支援や医療の現場でも犠牲が続く
パレスチナ自治区ガザで、耕作可能な農地が全体のわずか3%に減少していることが8月18日、国連食糧農業機関(FAO)などの調査で分かった。2023年10月以降のイスラエル軍の無差別攻撃で農地が広範に被害を受けたことに加え、25年10月の停戦後もイスラエル軍がガザの支配エリアを広げているためだ。種子や肥料などの農業資材も不足している。死者が7万人を超え人道危機が続く中、地域の食料生産を立て直す道筋が見えていない。(オルタナ副編集長=京正裕之)

FAOと国連衛星センター(UNOSAT)が公表した衛星データによる調査で明らかになった。
23年10月に戦闘が激化する前、ガザには約1万5000ヘクタールの耕地があった。26年6月24日時点で立ち入り可能なのは4091ヘクタールと全体の27%にすぎず、そのうち被害を受けていないのは448ヘクタールだった。残る3643ヘクタールは被害を受けており、耕作を再開するには復旧が必要になる。
立ち入りができて被害を受けていない耕地は、25年10月時点では601ヘクタールあったが、8カ月ほどで25.5%減った。減少幅が最も大きかった都市の一つがガザ南部最大のハンユニスだ。また、ガザ南端でエジプトと国境を接するラファでは、耕地の97.2%、温室栽培面積の98.4%に立ち入ることができないのが現状だという。
■農地減少の主因は「占領エリアの拡大」
■農業はガザ経済の1割占めていた
■人道支援従事者も攻撃の犠牲に

