国連の元事務次長、明石康さんがスリランカのラトナ勲章を受章、さきごろ、それを祝う集まりがあり、出席しました。
先に亡くなった緒方貞子さんと並ぶ国連における日本人の双璧でしたが、緒方さんが「世界の緒方」「スモール・ジャイアント」(小柄な巨人)と国際的にも高く評価されたのに比べ、明石さんは旧ユーゴスラビアに展開したPKO、国際連合保護軍(UNPROFOR)の事務総長特別代表時代の指導力、決断力を米国に批判されたり、退官後、都知事選に出馬して惨敗するなどやや寂しい晩年という印象です。
日本経済新聞記者時代、ニューヨークで国連を担当した私としては、PKO、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)国連事務総長当別代表としてプノンペンにさっそうと降り立った勇姿が忘れられないだけに残念な思いを抱いていましたが、2002年からスリランカの平和構築に貢献したことから外国人に与えられる最高の勲章を贈られたことを心から祝福したいと思います。
集まったのは元国連職員とわれわれジャーナリストでしたが、88歳になる明石さんは年齢を感じさせない雄弁さで、国連時代の経験や培った知力で昨今の国際情勢を縦横に分析しており、まさに「知の巨人」といった風でした。
懇談の場では様々な人が話題を語りました。常任理事国は難しい。「準常任」、つまり非常任理事国でも任期を2年より長くし、再選可能なステータスを模索すべき時期に来ているのではないか。そんな意見も聞かれました。