原田勝広の視点焦点:「顔の見える電力」人気のなぜ?

みんな電力という名前を聞いたことがありますか。環境・社会課題で秀逸な取り組みを表彰する「環境省グッドライフアワード」(第7回、2019年12月)で「環境大臣賞 最優秀賞」を受けたばかりの話題の企業です。「顔の見える電力」「みんなで作って、みんなで使う」というのがキャッチフレーズと聞いて、東京電力や原発が嫌いな人たちが支援しているのだろうくらいに思っていましたが、どうやらそれほど単純なものではないようです。この会社は今の時代が求めている大切な何かを持っている、そんな気がします。(オルタナ論説委員・原田勝広)

会社設立は東日本大震災直後の2011年5月。当時、サラリーマンだった大石英司社長は出勤途上の電車の中で若い女性が身に着けていたソーラーパネル付きのキーホルダーに目をとめました。

太陽光発電で懐中電灯のライトにでも使うのだろうか。大会社やおじさんではなく、こんな女の子が作った電気なら買ってもいいかな、そんなことを考えました。意外にも原発は関係なく、その出会いが会社設立のきっかけだったといいます。

「大会社が独占するのではなく、皆で電気をつくったら楽しい。それを買ってくれる人がいたらもっと楽しいじゃないか」。そんな気持ちだったそうです。ポイントはどれだけ多くの人を巻き込めるかでした。

大学生の時、ディズニーランド日本誘致を仕掛けた堀貞一郎氏の『人を集める-なぜ東京ディズニーランドが「はやる」のか―』(ティビーエス・ブリタニカ )という本に出合い、皆で集まりワイワイガヤガヤ、そして人を喜ばせることに関心を持ちました。

母校である明治学院大学のマーケティングのゼミでは肥田日出生先生の「イメージセット理論」を用いて、人を集めることに論理的に研究したほどです。

出身は東大阪市。町工場の煙突が林立しているような土地柄ですが、ハングリー精神だけは旺盛で、大石社長の時代を切り開く斬新なアイデアもそこから生まれたといえるかもしれません。

コンセントの向こうがどこにつながっており、誰が電気を送ってくれているのか、「3・11」まで誰も関心を持たなかったのではないでしょうか。

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2020年1月22日(水)13:15

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