50年前に東京都が策定した道路計画をめぐって、小平市で26日に住民投票が行われる。投票は計画の見直しを問う内容だが、投票参加を呼び掛ける団体の市民は「賛否を問う二分法にはしたくない」と説明する。そのわけは――。
都は東村山市から府中市へ、多摩を南北に走る道路「府中所沢線」の整備を進める。「小平都市計画道路3・2・8号線」はその小平市部分。住民投票では府中街道の西側に並行する形で計画されている延長約1.4キロメートルの区間について見直しを問う。
計画が実現すれば幅36メートル・4車線の道路ができ、総工費は約250億円。都では渋滞緩和などの効果があるとしているが、市の中央公園に隣接する約1.3ヘクタールの雑木林のほぼ半分が失われ、220戸の住民が立ち退きを余儀なくされる。また、国史跡の玉川上水に橋がかけられるため、上水と並行する樹林帯や遊歩道も分断される。
投票項目は「住民参加で計画を見直す」「見直しは必要ない」の2つ。このため、「都道建設の見直しの是非を問う」(22日付日本経済新聞)のように、「計画の是非」に焦点を当てた報道もある。
しかし住民投票を呼び掛ける市民団体「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」の女性は「この問題を例えば道路建設の是非などというように、賛否二分法にしたくない。よりよい街づくりのため、市民が行政に参画できる環境を作るのが目的だ」と話す。地域の課題を地域自らが解決するための住民投票というわけだ。