真道さんは、小さい頃から「女の子」であることに違和感を持っていた。
大学で女性の先輩と付き合った。女性を好きになる自分をうまく周囲に伝えられず、嫌がらせを受けた。相手からも「幸せにはなれない」と別れを告げられた。
「生きていても誰かの重荷にしかならない。こういうふうに生まれた自分が悪いのかと思っていた」
大学を休学し、バーで働きはじめた。家もなく友だちの家や店で寝泊りする日々。ある時、同僚に「もっと自分を認めてあげてほしい」と言われた。
「ありのままの自分で生きたい。両親は厳しいので本当のことを言えば『出ていけ』と言われるかも。でもそれもありのままの姿」
母親に自分の性をうち明けたのが20歳の時。「生んだ子どもに変わりない。それより今のあなたはあなたらしくない」と涙を流された。