EASEC会長の塚本勝巳氏は、「ニホンウナギとともに生きる」と題した基調講演で、「養殖ウナギをハレの日に襟を正していただく」ことを提唱。海外の異種ウナギに頼っている現状を憂い、「経済より道義と品格を」と、消費スタイルの変革を呼びかけた。
三重大学の勝川俊雄教授も「ウナギの国内生産の減少を輸入で補うのは、もう限界」と語り、「世論を高め、行政が線を引いて、持続的なウナギ消費システムを構築すべき」と訴えた。
水産総合研究センターの田中秀樹氏は、ウナギの人工種苗生産技術について発表した。20年間の研究の末、2010年に完全養殖に成功したが、「量産には時期尚早。まだまだ効率化、省力化、低コスト化が必要」と述べた。
EASECは、ニホンウナギが分布する台湾、中国、韓国などと協力して情報交換を進めているが、その生態には謎が多い。同シンポジウムでも科学的なデータの圧倒的な不足が、何度も課題として挙げられた。
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