資産づくりの王道は「投資のリズム」を守ること

記事のポイント


  1. 国を挙げての新NISAキャンペーンの効果で若者の投資熱が高まっている
  2. 老後不安の解消など、資産形成のニーズは着実に高まっている
  3. だが、日本ではいまだに株式投資をバクチ程度に考える人が多い

若い人たちの間で投資熱が高まっている。国や金融業界を挙げての新NISAキャンペーンの効果が大きい。それに、老後不安を少しでも軟らげるため、年金の不足分を補うためなど、資産形成のニーズは着実に高まっているのは確かだ。(さわかみホールディングス社長=澤上 篤人)

ただ、投資しようとするのはいいが、どこまで投資が生活の一環として日本社会に定着するかは別の話である。投資を続けて眼に見えるほど資産形成が進んだという成功体験を多くの人が持つようになって、はじめて投資が社会に定着する。

その点、日本ではいまだに株式投資をバクチ程度に考える人が多い。その証拠に、財産づくりは預貯金でと考える人たちが圧倒的に多いではないか。

しかるに日本では、これまで、株式市場などで儲かった、損したを繰り返すマネーゲームをもって投資としてきた。一時的に株式投資で大儲けしたとかで騒がれても、再現性ある投資でもってしっかりと資産を築いた人たちがどれだけいるかとなると、大いに疑問だ。

それはそうだろう。日本ではどの投資家も株価などの上昇相場を追いかけては、値ザヤを稼ごうとする。それには、値動きが良くて値上がりしそうな銘柄を、いち早く見つけて飛び乗るに限る。そして、できるだけ高値で売って大きく儲けようとする。

実はここに問題がある。大きな値上がりを期待して買ったのに、買ったところが株価の天井だったといったケースはよくある。その後は株価がズルズルと下がったりすると、もう値ザヤ稼ぎどころではない。

リズムを守り資産形成せよ

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sawakami

澤上 篤人(さわかみホールディングス社長)

さわかみホールディングス社長。1973年、ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。1980年─1996年、ピクテジャパン(現・ピクテ投信)代表。1999年に日本初の独立系投資信託会社さわかみ投信設立。

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キーワード: #オルタナ77号#投資

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