■「子ども」「環境」も企業の力で
いずれも社会貢献的な企業である。キッズベースキャンプは東急グループが手掛けているサービスで、単なる学童保育ではなく、英語、農業体験、アート工作など多彩なプログラムで「社会につながる人間力」を育てようとしている会社。送迎車つきというから贅沢でもある。フェアリーランドは働くママがつくった保育園。病児専用ルームもあり、企業とも協力して子育てにやさしい社会をつくろうとしている。
ここ数年、社会的課題を意識している学生の人気は、ボランティア団体からNPO・NGO、そして社会起業家へという流れがあった。今年は、これが企業形態での社会貢献的活動にシフトしている。
規模は小さいが、子ども、環境など身近な会社のプログラムが人気である。ユーズは使用済みの天ぷら油を捨てるのではなく、それを集めてディーゼル油にしてバスを走らせようという会社だ。省資源だし、新たな燃料開発だと考えれば、東京も広大な「油田」であることに気付かせてくれる。
セールスフォース・ドットコムは得意のITでNPOを支援している。資生堂も華やかなイメージとは裏腹に、顔やあざややけどがあって、外出を控えがちな女性のために、「化粧の力」でそれをカバーし目立たなくする活動をしている。
学生の間で企業という形態に対するイメージが確実に変わりつつあるのは間違いない。利益をあげること以上に、社会課題を解決する企業の力に関心が向いているようだ。
(この記事は、株式会社オルタナが2014年6月5日に発行した「CSRmonthly 第21号」から転載しました。)