サッカーで防災・減災を学ぶ「ディフェンス・アクション」ーー元日本代表の秋田豊氏をゲストに[CSR48・大西 香奈恵]

■誰もが遭遇する災害を考えるきっかけに
COLO CUPを主催するHITOTOWA INC.は、集合住宅を軸にした人々のつながりをつくることで都市の社会課題を解決するネイバーフッドデザイン事業をはじめ、CSR/CSVコンサルティング事業、ソーシャルフットボール事業などを展開する企業である。代表の荒昌史さん(34)は「マンション防災の仕事を全国で行っていますが、参加者が固定されがち。このディフェンス・アクションを通じて、誰もが遭遇する可能性がある災害について考えるきっかけになれば」とイベントの意義を語る。

確かに東日本大震災以降、各地や企業ごとに多くの防災への取り組みが進んでいるが、それほど多くの人々が参加しているとは思えない。「防災意識を高めるには、イベント参加への楽しいきっかけと本質的で真剣な場づくりの両方が必要」と荒さん。

ゲストコーチとして参加した、サッカー元日本代表の秋田豊さん
ゲストコーチとして参加した、サッカー元日本代表の秋田豊さん

今回のゲストである秋田豊さんも震災直後の2011年5月から現在まで、22回に及ぶチャリティサッカースクールを開催し、復興支援に尽力している。秋田さんはCOLO CUPについて「自分自身も新たな気づきが得られる場」として、「サッカーも1人では出来ない。参加者の皆さんが助け合いの中で自分が生かされていることに気づいてくれれば」と期待している。

■参加費は全額、震災復興事業に寄付
COLO CUPでは参加者それぞれの「マイ・ディフェンス」(個々人の防災)も発表された。「まずは近隣の人へ挨拶を積極的にして、助け合える関係をつくる」「家の備蓄品を見直す」「周囲に災害時のトイレの問題を伝える」といった出来ることから始めようという考えが目立った。1人4000円の参加費は、東日本大震災の復興事業に携わる団体へ全額寄付されるという。

身近なスポーツを通じて、防災・減災についての学びを楽しむ「ディフェンス・アクション」。地域防災の意識を高める取組みとして、企業でも取組む災害時におけるBCP(事業継続計画)の意識醸成の新たな取組みとしても、今後ますます注目を集めていくだろう。

「CSR48」は、企業のCSR担当者を中心に「CSRに関心のある女子たち」が集まったグループ。「CSRをもっと身近に」をミッションに、勉強会やイベントを実施する。⽬指すのはサステナブルな社会と、女性のエンパワーメントによって、利害や⽴場を超えて、より良い社会に向けたアクションをおこすこと。メンバーの所属は、商社、メーカー、ゼネコン、NPO法人などさまざま。 雑誌オルタナの連載の他、イベント登壇や4月はじまりのSDGsカレンダー発売など多彩に活動を広げる。オフィシャルブログ 執筆記事一覧

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