記事のポイント
- 日本のNGOが金融機関のESG方針評価を発表した
- 三菱UFJがIUU漁業への投融資を除外する方針を策定したことを評価
- 遠洋マグロ漁業では人権侵害が多発、「他行も早急に策定を」と求めた
日本のNGOはこのほど、主要金融機関のESG方針スコアを発表した。漁業セクターの投融資方針では三菱UFJが違法・無報告・無規制(IUU)漁業への投融資を除外する方針を新たに策定し、「最もリードした内容である」と評価。遠洋マグロ漁業では人権侵害が多発しており、他行に対しても「早急に策定する」よう求めた。(オルタナ編集部・萩原哲郎)

「ESG方針スコア」は日本のNGO4団体で構成するFair Finance Guide Japanが発表しており、今回のスコアが13回目。評価対象となっている金融機関は企業向け融資額の多い、三菱UFJ、みずほ、三井住友、りそな、三井住友トラスト、農林中央金庫の6行。100点満点評価で、首位はみずほで2年連続、前回3位の三菱UFJが2位、農林中央金庫が3位となった。
スコアの講評では漁業セクターの投融資方針が取り上げられ、三菱UFJは違法・無報告・無規制(IUU)漁業への投融資を除外する方針を策定したことについて「6銀行の中で最もリードした内容である」と評価した。
遠洋漁業で深刻なのは人権侵害が多発していることだ。同団体が公表したレポート「遠洋マグロ漁業は現代の蟹工船」では、連日の長時間労働の末に水や食料が十分に支給されなかったり、心身への暴力、また給与の支払いも適切にされていないケースが紹介されている。日本市場に輸入されるものでも、こうしたIUU漁業由来の水産物が3割あると言われている。
さらにレポートでは、こうした人権侵害が確認された法人に対して、日本の金融機関がサービスを提供していることも示している。
「ESG方針スコア」では各行に漁業セクターの投融資方針の策定とIUU漁業等の問題のある事業の除外の表明、さらにレポートでは遠洋船に従事する全ての労働者にWiFiアクセスの保障などがあることに配慮して水産・食品産業への投融資の見直しを求めた。
スコアではほかにも海洋生態系や沿岸部住民に深刻な影響を及ぼす深海採掘について「いずれの銀行も投融資方針を設定していない」と指摘。レアアースなどに関連した深海採掘事業を推進する動きがあることから、「全ての銀行は早急に深海採掘事業への投融資を禁止する方針を策定すべき」とした。



