記事のポイント
- 世界で7割以上が子どものSNS利用禁止を支持しているとの調査結果が出た
- 一方、学校でのAI活用は前向きな傾向が見られ、SNSとAIで評価が分かれた
- メンタルヘルスが、若者の直面する最大課題と捉えられていることも分かった
仏世論調査会社イプソスが世界31カ国で実施した調査で、14歳未満の子どものSNS利用禁止に対して73%が賛同していることが分かった。一方で、学校でのAI使用禁止を求める声は39%にとどまり、特にアジアなどでは教育現場でのAI活用に前向きな姿勢が見られる。テクノロジーへの評価が分かれる一方、メンタルヘルスは、世界中の若者が直面する最大の課題であり続けている実態も明らかになった。(オルタナ編集部・川原莉奈)

若者とテクノロジーの関係性を巡り、世界的な意識の変化が浮き彫りになっている。イプソスが世界31カ国で実施した意識調査によると、14歳未満の子どものSNS利用禁止を支持する割合はグローバル平均で73%(日本は63%)に上り、ほぼすべての国で規制を求める声が高まっている。
一方で、デジタル技術に対する見方は一様ではない。学校でのAI利用禁止を支持する人は平均39%にとどまっており、特にアジア地域を中心に、教育現場でのAI活用を肯定的に捉える傾向が強い。

同社でグローバルパブリックアフェアーズ責任者を務めるクリスティーヌ・トレシニ氏は、ウェルビーイングへの影響が懸念されるツールと、学習や将来の機会拡大に役立つツールを、人々が明確に区別し、実用的な見極めを進めていると分析している。
こうした技術への複雑な向き合い方が見られる一方、調査では、若者を取り巻く環境そのものへの懸念も浮かび上がった。
31カ国の回答者の約2人に1人(48%)が、自国の若者のメンタルヘルス状態を「悪い」と回答した。
また、現代の若者が直面する最大の課題として「メンタルヘルス」を挙げた人は33%と、「自国の経済」や「テクノロジーの影響」などを抑え、最多となった。なお、日本では「自国の経済」が40%と最多で、「いじめ」(31%)、「貧困・格差」(30%)と続いた。

今回の調査結果は、人々がテクノロジーの影響を見極めようとしている姿勢を示すと同時に、若者のメンタルヘルス問題の深刻さを示している。技術の活用と規制をめぐる議論にとどまらず、若者が抱えるさまざまな課題に社会がどう向き合うかが問われている。
【調査概要】
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム
調査対象: 31カ国23,537人の成人
対象国:メキシコ、コロンビア、ペルー、マレーシア、アルゼンチン、チリ、南アフリカ、タイ、インド、シンガポール、ルーマニア、イタリア、ブラジル、ハンガリー、インドネシア、アイルランド、スペイン、ベルギー、韓国、フランス、カナダ、オランダ、スウェーデン、米国、日本、トルコ、ニュージーランド、ポーランド、オーストラリア、ドイツ、英国
年齢層:インドは18歳以上、カナダ、アイルランド、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国は18~74歳、タイは20~74歳、インドネシアとシンガポールは21~74歳、その他の国は16~74歳
実施日: 2026年6月19日(金)から2026年7月3日(金)
調査機関:イプソス



