記事のポイント
- 地球環境戦略研究機関はネット・ゼロに向けた日本の進捗を分析した
- 日本の排出量は減ってきたが、今の削減ペースでは政府目標は達成できない
- エネルギー消費量は減っているが、なぜ日本の削減ペースは上がらないのか
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)はこのほど、ネット・ゼロに向けた日本の取り組み状況を分析したレポートを公表した。日本の温室効果ガス(GHG)排出量は2013年度以降、着実に減ってきたが、政府が掲げる「35年60%削減」を達成するには、現在の削減ペースでは足りない。エネルギー消費量は急速に減っているが、なぜ日本のGHG排出削減ペースは上がらないのか。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

出典:IGES
日本の温室効果ガス(GHG)排出量は、2013年度以降、着実に減少している。2024年度のGHG排出・吸収量は約9億9400万トン(CO2換算)で、2013年度以降で最も少なく、初めて10億トンを下回った。2013年度と比べると約3億9950万トン減少(28.7%減)した。
一方で、削減ペースは十分とは言えない。IGESが公表した「日本のネット・ゼロ進捗レポート2026」によると、過去10年間のGHG削減量は年平均約3100万トンだった。政府が掲げた2035年度に2013年度比で60%削減するという目標を達成するには、年平均約3790万トンの削減が必要だ。これまでの約1.2倍にペースを引き上げなければならない。
では、なぜ日本のGHG排出削減ペースは上がらないのか。IGESが指摘したのは、「エネルギーを使う量」と「エネルギーそのものの脱炭素化」の間にあるギャップだ。

