日本女性起業家が「未来の大陸」アフリカに進出し始めている。流行りのSDGs(持続可能な開発目標)であたふたする企業を尻目に、現地のカラフルなバラや、アフリカン・プリントのバッグ、洋服といった身近で発信力のあるファッションを日本に輸入することでアフリカで雇用を拡大するだけでなく、日本社会の心の豊かさにつながるコミュニケーション・ツールとしてライフスタイル革命を起こそうとしている。
4月中旬、六本木ヒルズのヒルサイドB2に一店の花屋さんがオープンした。普通の花屋ではない。ケニアのバラを扱う「アフリカ・ローズ」だ。東京のど真ん中に地球の反対側からバラを運んできたのは萩生田愛さん、広尾の本店に次ぐ2店目である。オレンジと赤、あるいはピンクと緑のグラデーションという太陽の光を思う存分に浴びた大きなバラが人気だ。
途上国での起業というと、萩生田さんと同じ1981年生まれの山口絵理子さんが思い浮かぶ。2006年、マザーハウス設立、アジア最貧国のバングラデシュ産のカバンをヒットさせた。社会起業家の走りであり最大の成功者である。またHASUNAを2009年に設立した白木夏子さんも同い年である。パキスタン、スリランカなどで貧しい宝石鉱山労働者や職人とともに人、社会、環境に配慮したエシカルなジュエリーをつくっている。