原田勝広の視点焦点:「妊婦さん、私が席を譲ります」

本職は広告代理店勤務ですが、個人的にPLAYERSを立ち上げ、発信機の入ったスマートマタニティマークの開発につなげたわけです。

実証実験では妊婦さんに好評でしたが、課題もありました。ひとつは、専用アプリだったためダウンロードしてくれる人が限定的でした。

サポーターとして席をかわってくれる側の人、特に男性へのアピールが不足していました。また、ユーザーが妊婦さんだけでは数が少なく、ビジネスモデルとして成り立たせるのが難しいこともわかりました。

このためラインアプリに切り替え、&HANDのLINEアカウントを友達登録するだけでサポーターになれるよう変えました。

また、考えてみれば、助けを必要としている人は妊婦さんだけではないので、対象をベビーカー、車イス、視覚障害者、聴覚障害者まで増やし、利用場所も電車だけではなく、駅、空港、商業施設、宿泊施設、観光地などにまで広げました。

羽田空港、JR赤羽駅、東京メトロ銀座線などで実証事件を行い、ようやくブラインドサッカーのイベントで視覚障碍者の座席やトイレへの移動、飲食やグッズの購入の際の手助けが&HANDの実用化第1号として実現しました。

順次、実用化を進めていく方針で、日本社会をどう変えてくれるか楽しみです。人間の善意を引き出してくれる「つなぐ発信機」。あなたもサポーター登録しませんか。 (完)

harada_katsuhiro

原田 勝広(オルタナ論説委員)

日本経済新聞記者・編集委員として活躍。大企業の不正をスクープし、企業の社会的責任の重要性を訴えたことで日本新聞協会賞を受賞。サンパウロ特派員、ニューヨーク駐在を経て明治学院大学教授に就任。専門は国連、 ESG・SDGs論。NPO・NGO論。現在、湘南医療大学で教鞭をとる。著書は『国連機関でグローバルに生きる』など多数。執筆記事一覧

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