尾羽が長く、ハトなどに比べ比較的動作のにぶいワカケホンセイインコはカラスにとって比較的狩りやすい獲物になっているのだろうか。
この日、カラスは現れなかった。そのせいか、彼らの特徴であり、それゆえ人に嫌われることもある、がなるような大きな声で鳴きかわすこともなかったが、集団で何かに警戒しつつ採餌している様子は感じられた。
彼らが住み、飛来するのは大学のキャンパスや公園、街路などの並木や植込み、個人の庭などが中心だ。ペットとして連れて来られた気候風土の異なる日本で、時に人の給餌も受けながら、都市に造られた人為的な緑地で半世紀にわたって集団を維持している。
原産地では畑を荒らす害鳥ともされたインコ達、初夏の石神井川では誰にとがめられることもなく、桜の恵みをついばんでいる。
さかもとまさる (生きものコラムニスト)