――バイオマスや使用済み原料だけでなく、二酸化炭素を代替原料とした服も作っているそうですね。
パートナーと協働して、二酸化炭素を活用して製造した「弾性紡織用繊維」を開発しました。すでに繊維業界や医療技術系の企業がこの繊維の試験に着手していて、紡績糸や靴下、テープなどに加工しています。
これはバリューチェーン全体の協力が要りますが、使用済みのウォーターサーバーボトルをノートパソコンの筐体(ボディ)に利用することも可能です。
消費者の使用済みウォーターサーバーボトルを回収して、製造者がボトルを洗浄して、細断します。そして、コベストロで細断したボトルからプラスチックペレットを作り、それを原料にしてノートパソコンやプリンターの筐体に利用します。
――それ以外の取り組みにはどんなものがありますか。
代替原料だけでなく、再利用することを増やして、プラスチックの使用量を減らす取り組みも行っています。今後、数年を掛けて、エネルギー効率を高めたリサイクル技術を開発するための実験も行います。
従来のような「製造―消費―廃棄」という流れのままでは未来はないです。化学分野で培ってきた技術や知見を生かして、プラスチック廃棄物を価値のある資源に変えることで、リニア型ではない、サーキュラーエコノミーを目指します。
これは一社だけではなく業界全体の力が必要なので、プラスチックのリサイクルを推進するアライアンス「EU Circular Plastics Alliance」(EU循環型プラスチック連盟)やプラスチック廃棄物をなくすことを目指した「Alliance to End Plastic Waste」(プラごみ根絶のための企業連盟)などに参画して、多くの企業や組織と議論しながら進めます。
自然エネルギーも積極的に導入