ビジネスとソーシャルビジネスは、何が違うのか

【連載】ソーシャルビジネスとは何か(2)

「新しいビジネスをつくるとき、最初に何を考えるか」――。みなさんは何を考えましたか?ビジネスをつくった経験のない方も、読み進める前に、ぜひ考えてみてください。

「ビジネス」と「ソーシャルビジネス」の本質的な違いは、この「最初に何を考えるか」という点に凝縮されています。今回は、その点を掘り下げていきたいと思います。

ビジネスを描く上で、たくさんのキーワードが存在しますが、最初に考えるのは次の3点です。「顧客」「ベネフィット」「プロダクト(商品やサービス)」。言い換えれば、誰に何をどうやって。これが基本となります。一般的には、これを「ビジネスコンセプト」と言います。

ビジネスは、そもそも顧客がいないと成り立ちません。そして、その顧客がなぜ、プロダクトを選ぶのか。それはその本人のベネフィット=困りごとを解消できるという価値が、プロダクトを通じて提供されるからです。そして、このプロダクトを一定数以上の顧客に届けることで、企業は利益を確保します。

プロダクトを通じてベネフィットを提供する顧客が多ければ多いほど儲かるし、そういう市場には、他の企業もどんどん入り込んできます。

ソーシャルビジネスもビジネスである、という点からすれば、ソーシャルビジネスでもビジネスコンセプトは必ず考えます。しかし、「最初に考えることではありません」。

masayoshi suzuki

鈴木 雅剛(ボーダレス・ジャパン副社長)

株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役副社長 1979年山口県出身。大学時代、やる気なくつまらなそうに働くバイト先の人々や、働きたくても働けない人々の存在を目の当たりにし、「世界で一番働きたい会社をつくる」ことを志す。現在は、社会問題の解決と同時に、仲間やその家族の幸せを実現する「いい会社」を増やし、世界へと拡げていくために、経営手法や共同体の仕組みづくりに取り組み、13カ国35のソーシャルビジネスを展開している。

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..