発売中止から一転、なぜサッポロが販売を決意したか

2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任つかう責任」では、2030年までに食品ロスを半減することが目標として掲げられている。2019年10月に日本で施行された食品ロス削減推進法でも、食品ロスの発生抑制と減量化を求めている。

サッポロビール広報は、「発売中止のリリース後、本商品の取り扱いを心配する声、食品ロスの観点も含め、発売中止を見直すべきであるとの意見が多数寄せられ、両社でこれらの意見を真摯に受け止め、検討を重ねた結果、発売中止の決定を取り消し、改めて発売をすることになった」と経緯を説明する。

シール貼付を含め商品自体への修正は行わず、ファミリーマートの協力のもと、店頭販促物で、「LAG『A』R BEER」が誤表記である旨の周知を行う。 「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」の生産量は非公開だが、ファミリーマート約1万6300店で販売することから、相当な量の廃棄が回避できたと推測される。

サッポロビール広報は「社会との共生、社会課題の解決は当社としても極めて重要な課題として位置付けており、再発売しない場合においても、極力廃棄に至らない方法を検討し実施する考えだった」としている。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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キーワード: #SDGs#フードロス

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