ドバイ万博、施設8カ所に「サステナブル認証」

ドバイ万博のサステナビリティへの取り組みは、万博のみの独立した動きではない。国内外でサステナビリティを推進する組織や計画と同調している。

国内では、公共交通機関の充実を図り、市内の60%を緑地にするなど、サステナブルな都市開発の方針を明らかにした「ドバイ・アーバン・マスタープラン2040」、2071年までに、教育、経済、国家の発展、社会的結束を中心に、UAEを世界で最も暮らしやすい国にすることを目標に、各分野の整備・発展を促す「UAEセンテニアル2071」、グリーンエコノミーの成功例になり、UAEをその世界的なハブになるよう、競争力とサステナビリティに力を入れ、将来の世代により良い環境を残すことを目指す「グリーンエコノミー・フォー・サステナブル・デベロップメント」などの計画が、万博の取り組みにも反映されている。

「オポチュニティ」のパビリオン、「ミッション・ポッシブル」(C) Expo 2020 Dubai

またこの万博は、国連のSDGsとも足並みをそろえている。掲げられているサブテーマは、すべての人にとって、衛生管理がより行き届き、より安全で、より健康的な未来を実現するために、私たちが住む世界を尊重し、バランスを保ちながら生活することを目指す「サステナビリティ」、人やコミュニティが未来を形作るための可能性を引き出そうという「オポチュニティ(機会)」、人・もの・アイデアを物的にもバーチャルにも、より効率的で効果的に移動させることを目標にした「モービリティ(移動性)」だ。「サステナビリティ」のパビリオン、「テラ」を筆頭に、万博での体験を通して、SDGsに挙げられている課題をより多くの人々に知ってもらい、個々に取り組むための足掛かりを作ってもらおうという意図がある。

「モービリティ」のパビリオン、「アリフ」(C) Expo 2020 Dubai

アーメッド・アル・カティブ デベロップメント・アンド・デリバリー最高責任者によれば、CEEQUALにより「最優秀」の認証を授かったことは、サステナビリティ・チームと会場設営チームの献身、そしてチームワークの証と話す。全関係者が、ドバイ万博を今までで最もサステナブルな万博の1つにするという共通の願いと熱意がそれを支えている。

mari

クローディアー 真理・ニュージーランド

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、地元日本語月刊誌の編集職を経て、仲間と各種メディアを扱う会社を創設。日本語季刊誌を発行するかたわら、ニュージーランド航空や政府観光局の媒体などに寄稿する。2003年よりフリーランス。得意分野は環境、先住民、移民、動物保護、ビジネス、文化、教育など。近年は他の英語圏の国々の情報も取材・発信する。執筆記事一覧

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..