ドバイ万博、施設8カ所に「サステナブル認証」

特に8プロジェクトの中でも、93.6%と最も高いサステナビリティ評定を受けたのが、アル・ワスル・プラザにあるドーム型スチール製トレリスだ。

ドバイ万博のロゴにも共通する、たくさんの指輪を組み合わせたトレリス(C)Expo 2020 Dubai®

デザインは、ドバイ南部の砂漠地帯にあるサルク・アル・ハディード遺跡で発見された黄金の指輪にヒントを得た。制作過程で何度も見直しが行われ、各ブラケットの重さを1kg以上軽くすることに成功。その結果、41トンを超えるCO2を削減できた。

大きさは幅130m、高さ67.5m、重量は500t以上に及ぶ。トレリスを構成するスチールの地球温暖化係数を、建設業界の平均より20%低く抑えることに成功している。

トレリス建設時に使われた移動性起重機のカーボンフットプリントは、オフセット・クレジットを購入し、相殺している。これを通して、インドネシアの地域型風力発電所の開発を支える。

また建築に使われた高強度コンクリートブロックの99.98%に当たる4000tを再利用、またはリサイクルした。

プロジェクターで映像が映し出されたところ(C)Expo 2020 Dubai

トレリスに次ぎ、91.6%のサステナビリティ評定と認められたアル・ワスル・プラザは、オリンピックサイズ・プール約300個分に相当する面積を持つ。ここに200台以上のプロジェクターを設置。世界でも最大級の360度プロジェクタースクリーンとして、映画や照明を映し出し、コンサートやイベントなどを開催する。

サブテーマの1つ「サステナビリティ」のパビリオン、「テラ」 (C)Expo 2020 Dubai

SDGsとも足並みを揃えて

mari

クローディアー 真理・ニュージーランド

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、地元日本語月刊誌の編集職を経て、仲間と各種メディアを扱う会社を創設。日本語季刊誌を発行するかたわら、ニュージーランド航空や政府観光局の媒体などに寄稿する。2003年よりフリーランス。得意分野は環境、先住民、移民、動物保護、ビジネス、文化、教育など。近年は他の英語圏の国々の情報も取材・発信する。執筆記事一覧

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