日米豪のNGO5団体は11月24日、JICA(国際協力機構)が発行したドル建て債券について、SEC(米国証券取引委員会)に異議申し立てを行なった。JICAは事前に提出した目論見書に「調達資金を石炭火力発電に充当しない」と明記したにもかかわらず、バングラデシュとインドネシアの石炭火力プロジェクトに融資を続けていることを問題視している。NGOによると、SECは申立書を受領した。(長濱慎)

JICAはSDGsへの取り組みをPRするが(パンフレット「ともに続く世界を〜JICAとSDGs〜」より)

今回申し立てを行ったNGOは、日本のJACSES(環境・持続社会研究センター)、国際環境NGO FoE ジャパンのほか、FoE US(米)、マイティ・アース(米)、マーケット・フォース(豪)の5団体。

■「石炭火力に充当しない」と明記して資金調達

NGO5団体が問題視しているのは、JICAが4月に発行した5億8000万米ドルの債券だ。発行に先立ってSECに提出した目論見書には「調達資金は石炭火力に充当しない」と明記されている。

この件を発表したJICAのプレスリリースにも「資金使途:本機構の有償資金協力業務に充当(但し、石炭火力発電事業への出融資を除く)」という記述がある(第6次国際協力機構政府保証外債の発行条件を決定・4月21日)。

しかし債券発行による調達資金は、JICAが進める石炭火力プロジェクトの融資資金の拠出元である「有償資金協力勘定」で一括管理する。これでは調達した資金が、石炭火力に使われない保証はない。

異議申し立てを行った5団体のひとつであるJACSESの田辺有輝プログラムコーディネーターは、SECから「申立書を受領した」と返答があったことを明かした。

■JICA債保有機関も石炭火力の中止を働きかけ