CSR の社内浸透5つのステップ(2/7)

ニック木村の「今さら聞けないサステナビリティ」(9)

「SDGs」「ESG」「CSR」。サステナビリティを取り巻く状況は日々変化し、新たな用語も増えた。そもそもサステナビリティ領域は、どこから理解すれば良いのだろうか。カシオ計算機で約12年間サステナビリティの管理職を務めた「ニック木村」こと木村則昭・オルタナ総研フェローが「今さら聞けないサステナビリティ」の疑問にお答えする。

CSR の社内浸透5つのステップ(1/7)ーーニック木村の「今さら聞けないサステナビリビリティ」(8)はこちらから

CSR
CSR の拠り所となる原則・ガイダンス10選とは

【A8-2】前回に引き続き、「CSRの社内浸透」のステップ2を紹介します。

「CSRの社内浸透」を図るためのステップ
ステップ1:トップダウン・アプローチ
ステップ2:何を拠り所として進めるのか
ステップ3:サステナビリティ目標とKPIの設定
ステップ4:ボトムアップ・アプローチ
ステップ5:情報公開とコミュニケーション

ステップ2:何を拠り所として進めるのか

 ■原則・ガイダンス(推進の手引き・開示の手引き)の確認

CSRの社内浸透を図るにあたって、どんな原則や基準、規格、ガイダンスなどを拠り所とするかを決めることは、社内に対して、また社外に対してもその正当性や納得性を高める上で重要です。

ここではそれらの中で国際的に認知されているものや、日本国内で一般的に用いられている主なものを紹介します。

とは言え、この中から必ずどれかを選んで完全に準拠すべき、というものでもありません。というのもこれらの多くは多国籍企業などの大企業を主な対象として作成されているからです。

あなたがそのような大企業に所属しているなら、この中から会社の事情に沿ってベストミックスを選び、それぞれ完全準拠の方向を目指すべきでしょう。

しかし、あなたが中小企業の経営者もしくは社員であれば、無理にどれかを選んで完全準拠を目指す必要はありません。

「参考にしている」、「手引きとして参照している」程度の使用感でいいと思いますが、企業規模にかかわらず適用できるISO26000とSDGコンパスの二つについては、CSRの社内浸透の拠り所としてぜひ採用していただきたいと思います。
(下記①~⑩の詳細については、こちらをご参照ください。)

主な原則・ガイダンス10選

① ISO26000

② SDGコンパス
SDGs の企業行動指針 - SDG Compass

■3つ目以降の原則・ガイダンスとは

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kimuranoriaki

木村 則昭(オルタナ総研フェロー)

1982年上智大学外国語学部英語学科卒業後、2021年5月まで39年間カシオ計算機株式会社に勤務。初めの約27年間はシステム商品の海外営業を担当。その間オーストラリアに約2年、米国に約4年の駐在を経験。その後の約12年間はCSR推進室(後にサステナビリティ推進室)室長としてコンプライアンス及びCSR(サステナビリティ)のグループ内への浸透を推進。グローバルコンパクトの原則に基づき、ISO26000をガイダンスとして、特に「人権」を重点課題として取り組みを進めた。また、2015年にCSRリーダー組織を立ち上げボトムアップによるCSRのグループ内浸透を図った。 2018年度よりオルタナが主催するサステナビリティ(SUS)部員塾の講座「CSR検定3級試験過去問演習と解説」の講師を担当。特定非営利活動法人環境経営学会理事。

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キーワード: #CSR#ESG経営#SDGs

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