CSR の社内浸透5つのステップ(4/7)

ニック木村の「今さら聞けないサステナビリティ」(11)

「SDGs」「ESG」「CSR」。サステナビリティを取り巻く状況は日々変化し、新たな用語も増えた。そもそもサステナビリティ領域は、どこから理解すれば良いのだろうか。カシオ計算機で約12年間サステナビリティの管理職を務めた「ニック木村」こと木村則昭・オルタナ総研フェローが「今さら聞けないサステナビリティ」の疑問にお答えする。

CSR の社内浸透5つのステップ(3/7)ーーニック木村の「今さら聞けないサステナビリビリティ」(10)はこちらから

CSR
サステナビリティ目標を設定する上で考慮すべきこととは

【A8-4】今回は、「CSRの社内浸透」のステップ3、その2を紹介します。 

「CSRの社内浸透」を図るためのステップ
ステップ1:トップダウン・アプローチ
ステップ2:何を拠り所として進めるのか
ステップ3:サステナビリティ目標とKPIの設定
ステップ4:ボトムアップ・アプローチ
ステップ5:情報公開とコミュニケーション

2.「サステナビリティ目標」を設定する上で考慮すべきこと

■中長期視点で「あるべき姿」を描き、目標を決定すること

「問題」=「あるべき姿」と「現状」とのギャップ、と定義できます。

「本業による社会貢献」という課題に立ち向かう時、まず自社について「あるべき姿」と「現状」のギャップをしっかりと把握しなければなりません。

SDGsには2030年の世界の「あるべき姿」が描かれています。その世界に存在する企業であり続けるためには、どのような企業で「あるべき」なのか、理想の姿や存在意義をしっかりとイメージすることが重要です。

「あるべき姿」が描けたら、そこから逆算して、例えば1年後に何を実現するのかという目標を定めます。遠い将来の目標から逆算して近い将来の目標を決めることを「バックキャスティング」と言います。

逆に現在の延長の積み上げ方式で将来の目標を考えることを「フォーキャスティング」と言いますが、大きな目標を目指す時には「フォーキャスティング」では限界があり、「バックキャスティング」で思考することが重要です。

■「サステナビリティ目標」は「必達目標」としない

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kimuranoriaki

木村 則昭(オルタナ総研フェロー)

1982年上智大学外国語学部英語学科卒業後、2021年5月まで39年間カシオ計算機株式会社に勤務。初めの約27年間はシステム商品の海外営業を担当。その間オーストラリアに約2年、米国に約4年の駐在を経験。その後の約12年間はCSR推進室(後にサステナビリティ推進室)室長としてコンプライアンス及びCSR(サステナビリティ)のグループ内への浸透を推進。グローバルコンパクトの原則に基づき、ISO26000をガイダンスとして、特に「人権」を重点課題として取り組みを進めた。また、2015年にCSRリーダー組織を立ち上げボトムアップによるCSRのグループ内浸透を図った。 2018年度よりオルタナが主催するサステナビリティ(SUS)部員塾の講座「CSR検定3級試験過去問演習と解説」の講師を担当。特定非営利活動法人環境経営学会理事。

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