CSR の社内浸透5つのステップ(6/7)

■ニック木村の「今さら聞けないサステナビリティ」(13)

「SDGs」「ESG」「CSR」。サステナビリティを取り巻く状況は日々変化し、新たな用語も増えた。そもそもサステナビリティ領域は、どこから理解すれば良いのだろうか。カシオ計算機で約12年間サステナビリティの管理職を務めた「ニック木村」こと木村則昭・オルタナ総研フェローが「今さら聞けないサステナビリティ」の疑問にお答えする。

CSR の社内浸透5つのステップ(5/7)ーーニック木村の「今さら聞けないサステナビリビリティ」(12)はこちらから

CSR
社員のCSRリテラシーを上げるには、ボトムアップ・アプローチが有効です

【A8-6】今回は、「CSRの社内浸透」のステップ4を紹介します。

「CSRの社内浸透」を図るためのステップ
ステップ1:トップダウン・アプローチ
ステップ2:何を拠り所として進めるのか
ステップ3:サステナビリティ目標とKPIの設定
ステップ4:ボトムアップ・アプローチ
ステップ5:情報公開とコミュニケーション

ステップ4: ボトムアップ・アプローチ

社員のCSRリテラシーの底上げ

そもそも、サステナビリティについての基本的な理解や、企業がそれに取り組むことの意義についての理解が社内に浸透していなければ、いくら自分事化を図っても「会社がやれというからやる」という受け身の自分事化になる恐れがあります。そのため、社員のサステナビリティに対する感度を高め、サステナビリティ・リテラシーを向上させ、ボトムアップによってサステナビリティの社内浸透を実現させる施策も重要です。

1.サステナビリティ教育

■eラーニング 

社員全員がオンライン環境を使用できるなら、年1回程度のeラーニングによる教育が有効です。以下eラーニングを実施する上での注意点を記します。

・学習内容(テキスト)は毎回見直し、常に最新情報をベースに作成する
・自社のサステナビリティ目標/KPIなどの重点課題は必ず掲載する
・テキストは30分~40分程度で修了できる分量にする
・テキスト読了後に10問程度の理解度テストを必ず受験させる
・理解度テストの正解率80%以上で受講終了とする
・オンラインで受講できない者は「紙」での受講も可とする

核人材への集中教育

若手の中核人材を選抜し、そこに集中的にサステナビリティ教育を施すことによって会社のサステナビリティ活動をリードする人材を育成し、活動の活性化を図ることも極めて有効です。

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kimuranoriaki

木村 則昭(オルタナ総研フェロー)

1982年上智大学外国語学部英語学科卒業後、2021年5月まで39年間カシオ計算機株式会社に勤務。初めの約27年間はシステム商品の海外営業を担当。その間オーストラリアに約2年、米国に約4年の駐在を経験。その後の約12年間はCSR推進室(後にサステナビリティ推進室)室長としてコンプライアンス及びCSR(サステナビリティ)のグループ内への浸透を推進。グローバルコンパクトの原則に基づき、ISO26000をガイダンスとして、特に「人権」を重点課題として取り組みを進めた。また、2015年にCSRリーダー組織を立ち上げボトムアップによるCSRのグループ内浸透を図った。 2018年度よりオルタナが主催するサステナビリティ(SUS)部員塾の講座「CSR検定3級試験過去問演習と解説」の講師を担当。特定非営利活動法人環境経営学会理事。

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キーワード: #CSR#ESG経営#SDGs

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