記事のポイント
- 民間調査で、生産者の約7割が原油高騰の影響を実感していることがわかった
- 燃料費や資材費の上昇により、現時点で約4割の生産者が値上げを検討中だ
- 長期化すれば生産縮小や廃業の懸念が高まり、第1次産業の持続性が問われる
原油価格の高騰を受け、産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデン(東京・港)が、第1次産業への影響について調査を実施した。その結果、農業・漁業に従事する生産者の約7割がすでに影響を実感していることが明らかになった。燃料費や資材費、物流費の上昇が重くのしかかり、約4割が価格への転嫁(値上げ)を検討している。事態がさらに長期化すれば、生産縮小や廃業の増加も懸念される。(オルタナ編集部・川原莉奈)

中東情勢の緊迫化を背景に、エネルギー供給の先行き不透明感が強まっている。特に原油輸送の要衝であるホルムズ海峡をめぐる緊張の高まりは、日本の調達基盤を揺るがしかねない懸念材料だ。
こうした中、エネルギー依存度の高い第1次産業の現場では、収益圧迫が現実味を帯びている。
調査によると、現時点で生産活動への影響を感じている生産者は66.7%に上った。そのうち21.3%が「大きく影響が出ている」と回答している。

影響が出ている項目では、「燃料費(軽油・ガソリンなど)」が89.5%と突出して高い。次いで、「光熱費(暖房費・電気代など)」(24.7%)、「肥料価格」(24.3%)が続いた。

こうしたコスト増に対し、現時点で実施を検討している対策としては「値上げ検討」が39.7%で最多となった。一方で、「今のところ運営方法の見直しはしていない」との回答も33.0%に上り、具体的な対応に踏み出せていない実態も浮かび上がった。

背景にあるのは、値上げによる需要減少への強い懸念だ。コスト上昇分を十分に価格に転嫁しきれない厳しい経営環境が推察される。
さらに、事態が長期化した場合、81.3%の生産者が経営への悪影響を懸念している。

対策としては「値上げ」(67.0%)が最多となった一方、「設備投資の延期」(21.3%)や「生産量の縮小」(10.5%)といった消極的な対応も検討されている。

状況がさらに悪化すれば廃業の増加につながる恐れもあり、第1次産業の持続可能性をいかに担保するかが改めて問われている。
【調査概要】
調査対象:食べチョクに登録している全国の生産者
調査期間:2026年3月16日(月)~3月18日(水)
調査方法:インターネットによる任意回答
回答人数:267人



