世界経済フォーラム(WEF)が公表した「グローバルリスクレポート2025」では、世界に重大な影響を及ぼすリスクとして「異常気象」が第2位だった。企業が安定調達を確保するためには、生産地が異常気象に適応し、早期に復旧できる力を高める取り組みが重要になる。異常気象時代の「調達リスク」とは。(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長=潮崎 真惟子)
2025年末、東南アジアで記録的な豪雨と土砂崩れが相次いだ。タイ南部では「300年に一度」とも言われる規模の降雨が観測され、サイクロンなどによる豪雨はインドネシアやタイ、マレーシアで洪水などを引き起こし、インドネシアだけでも約330万人が被災し、死者は1千人を超えたとされる。
影響は現地社会にとどまらない。東南アジアは自動車部品、電子部品、農産物など、日本企業にとって重要な原材料供給地であり、洪水による道路寸断や港湾停滞は供給遅延につながる。
実際、タイ南部では洪水によって自動車部品や電子部品の供給が一時停止したと報じられた。筆者のフェアトレードネットワークのアジア拠点からも、コーヒーや紅茶などのフェアトレード生産者が数万人被災し日本企業にも一部供給遅延が生じたとの報告があった。
世界経済フォーラム(WEF)がダボス会議に合わせて公表した「グローバルリスクレポート2025」では、世界に重大な影響を及ぼすリスクとして「異常気象」が第2位に挙げられた。
気候変動の影響は農産物市場に顕著に現れる。象徴的なのがカカオとコーヒーの価格高騰だ。24年にはカカオ価格が史上最高値を更新。主要生産地である西アフリカで異常気象や病害が続き、生産量が大きく落ち込んだことが主な要因だ。
コーヒーもブラジルやベトナムなど主要産地で干ばつや高温の影響を受け、生産量の減少と価格上昇が起きている。気候変動は農産物供給を揺るがし、企業の調達コストにも影響し始めている。
■安定調達の要件に信頼性も

