記事のポイント
- これからの資本主義には共助と成長の「相乗効果」が欠かせない
- 「共助」と企業成長との明確な連動性は、あまり意識されてこなかった
- NPOなどによる社会課題解決の実践を、「ソーシャルR&D」と捉える動きも
これからの資本主義には共助と成長の「相乗効果」が欠かせない。「共助」と企業成長との明確な連動性は、あまり意識されてこなかった。NPOなどによる社会課題解決の実践を、「ソーシャルR&D」と捉える動きもある。(認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会代表理事=鵜尾 雅隆)
経済同友会が2026年4月の通常総会で打ち出した活動方針「共助成長社会」をご存じだろうか。そこでは、「国際情勢の変化が激しい中でも自律性を高く保ち、人々が互いに助け合い、一人ひとりに居場所と活躍の舞台があり、その結果として幸せを感じられる社会」、そして「世界中の人材や資本を惹きつける力のある経済社会」の実現を掲げている。これは、現在の世界的潮流の中で、本質的な価値を生み出す可能性を秘めた視点だといえる。
これまで企業活動では、いわゆる社会貢献活動とビジネスは別の軸として語られることが多かった。
2010年代にマイケル・ポーターが提唱したCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の流れを受け、「本業で社会課題を解決する」という考え方が広がったものの、企業による寄付やボランティアなどの「共助的視点」に基づく活動と、利益を前提とした本業としての社会課題解決との間には、なお心理的・実態的な隔たりが存在していた。
「公助(行政による支援)」「共助(寄付やボランティアなどの助け合い)」「自助(自分自身で解決する)」のバランスはこれまでも議論されてきたが、「共助」と企業成長との明確な連動性は、あまり意識されてこなかった。
しかし今、世界では、その壁を超えようとする大きな潮流が生まれている。一見すると二律背反にも見える「共助と成長」の相乗効果こそが、これからの資本主義と経済社会の進化に必要ではないか、という問いである。
背景には、少子高齢化、財政赤字、孤立・孤独、社会保障費や医療費の増大といった課題を先進国が共通して抱える中で、ビジネスにも社会課題解決への参画が求められるようになってきたことがある。
■ソーシャルR&D、広がる

