記事のポイント
- ネスレは調達したコーヒー生豆の半数を再生農業由来に切り替えたと発表した
- 気候変動による収量減少や品質低下への懸念が高まる
- 同社は再生農業の普及を通じて供給網の強靭化を進めている
ネスレはこのほど、2025年に調達したコーヒー生豆の53%が再生農業に移行した生産者由来のものとなったことを発表した。気候変動による収量減少や品質低下への懸念が高まる。同社は再生農業の普及を通じて供給網の強靭化を進める。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

ネスレは6月18日、「ネスカフェ プラン2030進捗報告書」を発表した。「ネスカフェ プラン2030」は、農業手法の改善とコーヒー供給のレジリエンス向上を目的とする取り組みで、再生農業を中核に据える。2025年には15カ国で1600人以上の農学者やフィールドスタッフが生産者に対して技術支援や研修を実施した。
これにより、アグロフォレストリー(森林農法)やカバークロップ(被覆作物)の導入、施肥の最適化などが進み、土壌の健全性向上や長期的な収量確保につながっているという。
再生農業の取り組みは気候変動対策にも成果を上げている。報告書によると、「ネスカフェ」のコーヒー生豆における温室効果ガス(GHG)排出量は、2018年比で18.3%削減した。さらに、コーヒー製造拠点で使用する電力の98.6%を再生可能エネルギー由来とし、製造段階での排出削減も進めた。
「ネスカフェ」のサステナビリティ責任者であるアンティ・ショー氏は、「2025年にはコーヒー生豆の半分以上を再生農業を導入する生産者から調達するという重要なマイルストーンを達成した。生産者との協働を通じて、気候変動へのレジリエンスを強化し、長期的なコーヒー供給基盤の確保につなげていく」と話した。
コーヒー産業では、樹木の老齢化や異常気象の頻発により収量低下が課題となっている。ネスレは生産者支援の一環として、気候変動や病害に強い新品種への転換を後押ししており、2025年には2030万本のコーヒー苗木を配布した。
コーヒー需要が世界的に拡大する一方で、気候変動による生産リスクは高まっている。ネスレは農業、生産、物流、人権の各分野を一体的に改善することで、持続可能で強靭なコーヒー供給体制の構築を目指す考えだ。


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