ベネチア映画祭で脚光:戦争トラウマをベトナム帰還兵の実話から紐解く

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記事のポイント


  1. 映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が全国公開中だ
  2. ベトナム帰還兵の実話から加害とPTSDを映し、ベネチア映画祭でも話題
  3. 日本でも世代間連鎖する戦争トラウマを考える上でも重要な1本だ

10代で海兵隊としてベトナム戦争の前線に送られた、アレン・ネルソンの実話を元にした映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が全国公開中だ。主人公がPTSDの治療を進める中で、自身の加害行為を含む戦争体験の全貌を明らかにするストーリーだ。先のベネチア国際映画祭でも日本映画初の「金の小獅子賞」 受賞を果たすなど話題を呼んだ。日本でも近年語られ始めた、戦争トラウマを考える上でも重要な1本だ。(エシカルライター=宮野かがり)

©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners ©Allen Nelson/KODANSHA

「ネルソンさん、なぜ人を殺したのですか」。主人公はこの問いの答えを探し続ける。生前、日本で1200回以上の講演を行い、現在は石川県の寺に眠るなど日本との親交も深い人物だ。 父も元軍人で、暴力の中で育ったアフリカ系アメリカ人のネルソンは、貧困や差別から抜け出すため志願兵となる。しかし蓋を開けてみると、前線の仲間は大多数が貧困層の黒人であり、得られたのは薄給と心を破壊する殺戮(さつりく)の日々だった。

日本でも近年までタブー視されてきた、旧日本軍兵士の戦争トラウマを考える上でも重要な作品だ。戦争の心の傷は世代間連鎖し、現代でも家庭や社会に影響を及ぼし続けているからだ。

作中ではベトナムの農村を次々と襲撃、村人の死体を山積みにし、最後には村ごと火を放ち消滅させる。その行為の一部始終が、加害側の目線で詳細に再現されている。一度戦争が始まれば、時代や国籍は関係なく、誰しもがいとも簡単に「ネルソン」という加害者になり得る。そう強く語りかけてくる1本だ。

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公式サイト:https://nelsonsan.jp/

miyano

宮野 かがり(エシカルライター)

フリーのライター/エシカル・コンシェルジュ。学生時代、100本以上のドキュメンタリー映画を通し世界各国の社会問題を知る。事務職を経て独立後、エシカル・サステナブルライターとして活動。都会からはじめるエシカル&ゆるべジ生活を実践。

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キーワード: #戦争

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