「今度こそマグロ資源の徹底管理を」――WCPFCに対して環境NGOらが提言

成熟の遅いマグロ類の減少に拍車をかけているのが、人工集魚装置(FAD)を使った巻き網漁の増加だ。カメやサメまでもおびき寄せるFADは、マグロ類の幼魚も無差別に漁獲させる。

FAD依存型の大型漁船によるマグロ漁を続けている米国やEUに比べれば、日本の巻き網漁はFAD依存度を下げた操業に成功しているという。だが、その一方で、日本はメバチマグロの世界最大の市場であり、流通している刺身用のメバチマグロとキハダマグロの80%が日本向けである。

WWFジャパンの山内愛子・水産プロジェクトリーダーは、「WCPFCの過去の失敗は、小さな島国が多い海域で管理しにくい上に、ルールを遵守させる対策が不十分だったことが原因」と語り、「今回こそ科学的根拠に基づく徹底した管理措置の合意を」と、27日からの会合に期待を込めた。

グリーンピース・ジャパンの花岡和佳男・海洋生態系問題担当は、「資源の回復を図り、マグロ漁と関連産業を継続するためには、小売店や消費者側の意識変革も不可欠」と話した。

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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