現代奴隷労働と企業のリスク――下田屋毅の欧州CSR最前線

推定23万7千人が奴隷労働をしているとされているこの調査では今回から、「現代の奴隷」についての定義を変更し、従来の「奴隷労働」のほか、「借金による束縛」、「結婚の強要」、「子どもの売買」、「子どもからの搾取」、「人身売買」、「強制労働」などを含むようにしている。

この定義の下で現代の奴隷労働として、劣悪な労働環境下の労働者がいると見なされていることを事実として捉えなければならない。これは定義が適切かどうかという議論よりも、自社・グループの中でその状況に当てはまる労働者がいないか、また、特に国外におけるサプライチェーン上において、現代奴隷労働のリスクが高い国などがないか、その状況を確認しているかが問われていると考えることが必要だ。

また、企業が関わる人権侵害の対応のために「国連ビジネスと人権に関する指導原則」が、2011年6月に国連人権「理事会の承認を得て発行、指導原則は「国家の人権の保護企業の人権の尊重」「救済」に関するフレームワークで、自主的なアプローチと規制の双方をうまく活用することを推奨。している。

この調査では今回から、「現代の奴隷」についての定義を変更し、従来の「奴隷労働」のほか、「借金による束縛」、「結婚の強要」、「子どもの売買」、「子どもからの搾取」、「人身売買」、「強制労働」などを含むようにしている。

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下田屋 毅(CSRコンサルタント)

欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。執筆記事一覧

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