パーパスと商品マーケティングに「一貫性」を持たせるには

記事のポイント


  1. なぜ企業が掲げたパーパス(存在意義)が商品やサービスに浸透しないのか
  2. 専門家は「パーパスとマーケティングに一貫性がないからだ」と指摘した
  3. パーパスと商品マーケティングに一貫性をもたせるポイントとは

なぜ企業が掲げたパーパス(存在意義)が商品やサービスに浸透しないのか。サステナブルマーケティングに詳しい川上智子・早稲田大学大学院教授は、「パーパスと商品マーケティングに一貫性がないからだ」と指摘した。パーパスと商品マーケティングに一貫性をもたせるポイントとは。(聞き手・オルタナ輪番編集長=池田真隆)

川上智子:早稲田大学大学院経営管理研究科教授。専門はマーケティングとイノベーション。2017年アジアのマーケティング研究者トップ100に選出。早稲田マーケティング&サステナビリティ国際研究所所長。INSEADブルー・オーシャン・戦略研究所客員研究員。複数社の社外取締役も務める。

――企業が自社のパーパスと商品のマーケティング戦略に一貫性を持てない要因は何ですか。

大きく三つの問題があります。一つ目はブランドマネジメントです。日本企業はプロダクト発想が強く、一つひとつの商品をつくり、それが売れれば売り上げが計上されるという財務的な物差しが中心です。

企業がどこを目指すのかというビジョンがブランドの根幹にあるはずなのに、結果論としてそこに合っていくボトムアップ型の発想が強いのです。本来は、企業が何を目指すのかというところからブランドを考え、そのブランドが商品開発やマーケティングの判断基準になるべきです。

ところが、商品ごとに売上高や市場シェアなどのKPIが設定され、現場は目の前の商品を売ることに集中する。すると、パーパスと現場の指標が別々になってしまいます。パーパスを掲げるだけでは不十分で、商品をつくる人自身が「この商品でパーパスをどう実現するのか」を考えられる状態が必要です。

二つ目は組織です。サステナビリティ部門は本社のスタッフ部門として置かれることが多く、事業部との距離があります。サステナビリティ部門側が「こうしてください」と言い、事業部が「それでは売れません」と返す構図では、理念と商品はつながりません。商品開発の初期段階から両者が一緒に考える必要があります。

三つ目は消費者との関係性です。「社会価値を訴求しても売れない」「環境配慮は価格が上がるから売れない」と企業側が思い込んでしまう。ただ、「環境性を訴求しても売れない」と諦めていてはこの問題は一向に解決しません。環境価値を誰に、どんな便益として提供するのかが重要です。

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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