日本は絶滅危機種の爬虫類120種輸入、WWFが問うペット需要の実態とは

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記事のポイント


  1. WWFジャパンは日本の生きた野生動物の輸入に関する報告書を発表した
  2. 爬虫類49万個体を輸入し、うち20万個体が絶滅危機種に該当した
  3. 日本のペット需要が海外の野生動物に与える影響が浮かび上がった

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)はこのほど、日本の生きた野生動物の輸入に関する報告書を発表した。2020~2024年に日本が輸入したワシントン条約(CITES)附属書掲載の爬虫類は49万8478個体に上り、うち120種・20万4613個体が絶滅危機種に該当した。日本のペット需要が海外の野生動物に与える影響も浮かび上がった。(オルタナ編集部=川原莉奈)

日本では、爬虫類や両生類など多様な野生動物がペットとして流通しているが、こうした動物は実際にどれほど日本に入ってきているのか。その実態を明らかにするため、WWFジャパンは2020~2024年の輸入統計に加え、国内の市場調査や違法取引の事例などを分析した。

調査によると、同期間に日本に輸入されたCITES掲載の爬虫類は49万8478個体に上り、香港、米国に次ぐ世界3位の規模だった。このうち120種・20万4613個体がIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危機種に該当しており、日本が希少な野生動物の一大消費市場となっている実態が浮き彫りになった。

こうした大量消費の問題は、国内だけにとどまらない。野生動物の過剰な捕獲は生息地での種減少や違法取引につながるほか、輸入後には人獣共通感染症や外来種化といった問題を引き起こす可能性がある。今回の調査でも、日本のペット需要が海外で希少な野生動物の捕獲圧を高めている可能性が示された。

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具体的な違法リスクも確認されている。2020~2024年にはCITES掲載種の密輸未遂が税関で少なくとも20件差し止められた。さらに、国内の爬虫類展示即売会では、過去の輸入記録が確認できないCITES掲載種17種が販売されていた。うち11種はCITESへの掲載時期の関係でデータが未公開の可能性もあるが、残る6種については由来や合法性への懸念も残るという。

こうした実態を踏まえ、WWFは取引国との連携強化や市場のトレーサビリティ確立、輸入前の外来種リスク評価などを求めている。大量の野生動物を受け入れる「輸入大国」として、日本には流通経路や由来を正確に追跡できる仕組みを整え、海外の生態系へ与える負担を抑える責任が求められている。

【調査概要】
調査期間:2025年~2026年
調査対象:日本に輸入される生きた野生動物(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類等)
調査データ:目的に応じて以下のデータ・情報を収集・分析。
・生きた野生動物の輸入量および輸入金額規模:国連貿易統計(UN Comtrade)と財務省の貿易統計
・国際取引が規制されている種に関する取引データ:ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:CITES)の取引データ
・国内市場調査データ:生きた動物の展示即売会の実地調査で取得したデータ、およびウェブ検索から取得した販売広告情報
・種の絶滅のおそれに関する情報: IUCNレッドリスト
・外来種に関するデータ:GRIIS(各国で侵入・外来種化した種の情報)、EICAT(外来種が環境に与える影響)、およびCABI Horizon Scanning Tool(特定の地域で外来種化する可能性のある種を確認できるツール)
・違法取引:日本の税関によるワシントン条約附属書掲載種の差止実績、 Robin des Boisの「On the Trail」およびウェブ検索(日本の国外で摘発された密輸に関する情報)
・諸外国の法令:文献調査および各国の専門家へのヒアリング

kawahara

川原莉奈 (オルタナ編集部)

早稲田大学理工学部卒業後、大手自動車関連メーカーに7年勤務。その後、 新たな分野に挑戦するためフリーランスへ転身し、大手出版社でエディター、ライターを経験。さらにNPOや国際協力NGOなどでWebマーケティング・デザイン、広報などを担当し、社会課題解決への関心を深める。サステナ経営検定2級合格。

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キーワード: #生物多様性

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