インドネシアの森林火災、「パーム産業への批判に危機感」とRSPOトップ

記事のポイント


  1. RSPOトップがインドネシアの森林火災でのパーム油業界批判に危機感を示した
  2. 1~9月のインドネシアの森林火災は190万ヘクタールに上った
  3. 全国の火災影響面積の0.8%がRSPO認証事業地内だった

パーム油の持続可能な生産・流通を促す国際非営利団体「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」の年次会合「RT2026」が11月3日、インドネシアの首都ジャカルタで開幕した。RSPOのジョセフ・デクルーズCEOは、2026年1~9月にインドネシアで火災の影響を受けた約190万ヘクタールのうち、RSPO認証事業地は0.8%だったと明らかにした。そのうえで「火災の責任がパーム油産業にあるとみなされている」との危機感を表明した。(オルタナ副編集長=京正裕之)

RSPOのデクルーズCEOは「RT2026」の開会演説で、約20分のスピーチのうちほぼ全てをインドネシアの森林火災について話す異例のスタートとなった

「きょうは今後3年間の戦略について話そうと思っていた。だが、用意してきた演説の大半は話さない」。ジャカルタで開幕した「RT2026」の開会演説で、デクルーズCEOはこう切り出した。インドネシアでこの数カ月に起きている森林火災を受けて、「根本的な問題を話す必要がある」と語った。

「インドネシア各地で起きた火災は悲劇だった。それに劣らず衝撃的だったのは、東南アジアの人々がすぐさま、何の疑いもなくパーム油産業に非難の矛先を向けたことだ」。デクルーズ氏は、RSPOが約20年にわたり認証や監査の仕組みを築いてきた今も、パーム油産業が社会の信頼を十分に得られていないと指摘した。

アブラヤシの果実から採れるパーム油は、単位面積当たりの収油量が多く、インスタント麺やスナック菓子などの食品から、洗剤や化粧品まで幅広く使われている。世界最大のパーム油生産国であるインドネシアでは、25年のアブラヤシ農園の栽培面積は約1616万ヘクタールに上った。このうち、小規模農家が4割強を占めた。

一方、パーム油の生産を巡っては、農園開発に伴う森林破壊や労働者の人権侵害が指摘されてきた。こうした問題に対応するため、ユニリーバや世界自然保護基金(WWF)などが中心となり、04年にRSPOを設立した。生産・流通に携わる企業や金融機関、NGOなどが参加し、環境や人権に配慮した生産・調達の基準を定め、認証制度を運営している。

デクルーズ氏は「火災が広がる中、現場で何が起き、どう対応したかを公に説明したRSPO会員企業は少なかった」と述べた。スマトラ島やカリマンタン島では、農園の労働者や小規模農家が近隣住民と協力し、事業地の外でも消火に当たっていることを伝えるよう求めた。RSPOも監査記録や火災監視データを示し、制度に不備があれば公に認めて改善する考えを示した。

■認証地の被害面積の約45%が2カ所に集中
■火災影響面積の約11%がパーム油事業地
■越境ヘイズの通知先にRSPO会員が少なくとも4社

■20年の努力が損なわれるという危機感

有料会員限定コンテンツ

こちらのコンテンツをご覧いただくには

有料会員登録が必要です。

hkyosho@alterna.co.jp

京正裕之 (オルタナ副編集長)

執筆記事一覧
キーワード: #パーム油

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。