「アワリーマッチング導入でGHGスコープ2の削減は大幅困難に」

記事のポイント


  1. 温室効果ガス(GHG)算定の国際基準「GHGプロトコル」の改訂が進む
  2. 改訂案の最大のポイントは、「アワリーマッチング」の導入だ
  3. だが、この新制度が成立すると、スコープ2のGHG削減が大きく難しくなる

温室効果ガス(GHG)算定の国際基準「GHGプロトコル」の作業部会は現行の基準の改訂作業に取り組む。改訂案の最大のポイントは、企業が消費する電力量と発電量を1時間単位で紐づける「アワリーマッチング」の導入だ。だが、この新制度の導入が決まると、スコープ2のGHG削減が大きく難しくなる。日本気候リーダーズ・パートナーシップの石田建一・顧問に寄稿してもらった。

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GHGプロトコルの改訂におけるアワリーマッチングについては、その方向性自体は理解できるものの、日本の現状を踏まえると拙速な導入には慎重であるべきではないか。

日本企業は世界でもRE100への参加に積極的であり、参加企業数は世界トップクラスです。多くの企業が再生可能エネルギーの導入拡大や環境価値証書の活用を進めてきました。

しかし、日本全体の電源構成を見ると再エネ比率は欧州などと比較して依然として十分高いとは言えず、特に需要と供給を時間単位で一致させる24時間アワリーマッチングを実現できる環境はまだ整っていません。

GHGプロトコルは、サプライチェーン排出量をスコープ1~3の領域に分けた。スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出とした 出典:環境省

■「RE100からの離脱」相次ぐ可能性も

実際、多くの企業は現行のRE100基準やScope(スコープ)2のマーケット基準への対応を進めている段階であり、24時間アワリーマッチングが新たな必須要件となれば、目標達成が極めて困難になる企業が少なくないと考えます。

その結果、これまで意欲的に再エネ導入を進めてきた企業であっても、RE100からの離脱や目標見直しを検討するケースが出てくる可能性があります。

これからRE100への参加を検討している企業にとっても参加障壁が高くなり、結果として企業の再エネ導入拡大の流れそのものを鈍化させる懸念があります。

■夜間需要と再エネ供給の整合、困難に
■制度が複雑化し、現場の負担増に
■アワリーマッチング「長期的には目指すべき」

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #脱炭素

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