日本農業 常識と非常識の間 36(文・徳江 倫明)
環境省が「地域循環共生圏」という構想を打ち出している。
循環というのは様々な広がりのある言葉だ。
水の循環、大気の循環、森里川海の循環、資源循環、農業でいえば窒素循環や炭素循環、社会システム的には循環型社会などがある。
2000年には日本でも「循環型社会形成推進基本法」が成立した。基本法は理念法ともいわれるが、その意味は2000年を境に国として「循環型社会を目指す」と宣言したということである。
循環型社会とは何か。ぼくは同じ2000年、『農業こそ世紀の環境ビジネスだ』(たちばな出版)という本を書いた。一番言いたかったのは「環境の時代とは(本質的に)モノづくりの時代」ということだ。
当時、いくつもの分野別リサイクル法が施行された。容器リサイクル法、家電リサイクル法、食品リサイクル法などだ。 しかし「リサイクル」は、大量生産、大量消費の価値観を脱し切れていない。
*この続きは雑誌「オルタナ」58号「SDGs時代の地域金融」(9月30日発売)に掲載しています。