森発言が示した問題の本質(藻谷 浩介)

【連載】藻谷浩介の『ファクトで考えよう』(3)

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の新会長は橋本聖子氏に決まったが、森喜朗氏(前 組織委会長)の、2月3日の発言は、半月以上にわたって、会長人事を巡るドタバタを生んだ。その間に、この発言とその後に生じた混乱を巡って、玉石混交の論が立ったが、かえって本質的な問題が見えなくなった感がある。

問題の本質は、森氏個人の資質にあるのではない。森氏と大同小異の歪んだ認識を持つ日本人は、それこそ何千万人もいるだろう。他方で、森氏ほど全方位に愛想がよく、しかも相手の実力をその場で見極めて使いこなす力のある総理大臣経験者は、筆者の個人的な見聞の範囲では思いつかない。

敵を味方につけられない安倍晋三氏や現首相とは真逆である。だが総理大臣経験者以外の日本人1億2千万人の中には、そういう能力を持つ人も何百万人もいるだろう。

問題の本質は、また、「国民や世界からどう見えたか」という話でもない。「見せ方」ないし「隠し方」に問題があったのではなく、見えてしまった実態に問題があったのだ。CSRご担当者の大多数は「なんと処理の仕方がヘタなのか」と呆れているだろう。だが問題は隠しても顕れる本質の方にある。御社の組織の抱える闇の方が、オリパラ組織委よりもむしろ大きいかもしれない。

問題の本質はニつ。第一は、、、

motanikosuke

藻谷 浩介(日本総合研究所主席研究員/オルタナ客員論説委員)

山口県生まれの56歳。平成合併前の全3,200市町村、海外114ヶ国を自費で訪問し,地域特性を多面的に把握。地域振興、人口成熟問題、観光振興などに関し研究・著作・講演を行う。2012年より現職。著書に『デフレの正体』、『里山資本主義』 (KADOKAWA)、完本・しなやかな日本列島のつくりかた(新潮社)など。近著に『進化する里山資本主義』(Japan Times)、『世界まちかど地政学 Next』(文藝春秋)。 写真:青木優佳【連載】藻谷浩介の『ファクト』で考えよう

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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