進歩するサステナブル素材、最大の壁は

次にファッション産業の問題を解決させるためにもサステナブルマテリアルが取り入れられている。例えば、アパレル企業の廃棄問題が世界中でも問題視されている。この課題に取り組んでいるのが色別に服を仕分けし、細かく繊維状にして再度糸に仕上げるという取り組みだ。

画期的なこのシステムは在庫削減の1つの手段として今後もっと広まって欲しいと思う。ただ、こちらは現段階では仕分け可能な繊維が限られているため課題が残る。

次は、要らなくなった洋服からリサイクルされたポリエステル素材。今まで、リサイクルというと単繊維すなわち、1つの素材100%で生産された生地のみリサイクルが可能だったものが、技術の進歩によって、今まで最大の課題だった混紡素材もリサイクルができるようになった。加えて、昨今では繊維はリサイクルされるのが当然というような、ネクストライフの循環も見据えたリサイクル素材も出てきている。

このように、サステナブル素材は今までの開発の中で、次々と課題をクリアにしてより循環型に日々進化している。消費者の立場で考えれば、次はどんな新しいリサイクルの繊維が出てくるのだろうと少しワクワクもする。

takemuraio

竹村 伊央 (一般社団法人unisteps共同代表)

1982年名古屋市生まれ。一般社団法人unisteps co-founder / ファッションスタイリスト。高校卒業後渡英し、エシカルファッションムーブメントを作り上げたブランドの1つ、 JUNKY STYLINGに勤務。同時にスタイリストとしてもエシカルを中心としたスタイリングも手がける。 2010年帰国後、2012年にエシカルファッションのPR活動をする団体:ETHICAL FASHION JAPAN(EFJ)を設立。 エシカルの啓発を含めたイベントや講演活動をしながら、2016年よりファッションレボリューションジャパンカントリーコディネーターを務める。【連載】多様で健康的なファッションの未来を考える

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