【連載】企業と人権、その先へ(1)

2月1日にミャンマーで起きた国軍によるクーデターはその後、悪化の一途を辿り、通信環境も著しく制限されている今、現地の状況は断片的にしか伝わってこない。民主主義、基本的人権が危機に瀕している中、企業には果たして、どのような役割が期待されるのか。(佐藤 暁子・弁護士)

ビジネスと人権に関する指導原則では、企業は、自社のみならず、サプライチェーンをも通じた人権への負のインパクトの特定、予防、軽減、そして救済のための人権デューディリジェンスの実施が求められている。

しかも、企業は、人権侵害への助長や商品やサービスとの直接的な関係なども特定する必要がある。

ミャンマーでクーデターを起こした国軍は、その強固な経済的基盤が国際人道・人権法の違反行為の温床であることが以前から指摘されてきた。

2017年のロヒンギャ虐殺を受けて実施された2019年の国連事実調査団が発表した報告書では、先日アメリカ政府による制裁対象となったMEHLとMECと経済的関係のある企業が人権リスクへの加担の責任を指摘されていた。

民主化の道を歩んでいたとは言え、ミャンマー国軍そして関連企業との経済上の関係に関する人権リスクは顕在化していた。

■なぜミャンマーに対して企業は沈黙するのか。

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