63%が「他国エネルギー依存」に不安、イラン戦争前から

記事のポイント


  1. 地政学リスクの高まりを背景に、エネルギー転換は今まさに岐路に立っている
  2. イラン戦争前の世界31カ国調査で、約6割が「他国エネルギー依存に不安」と回答した
  3. ガソリン高の影響で欧米では中古EV販売が増加しており、EVシフト加速が注目される

地政学リスクの高まりを背景に、エネルギー転換は岐路に立っている。仏世論調査会社イプソスが31カ国を対象に実施した調査では、約6割が他国エネルギー依存に不安を抱き、過半数がコスト増でも自立を支持した。イラン情勢下のガソリン高を受けて欧米では中古EV販売の増加や車の利用抑制といった行動変容も起きている。(オルタナ編集部・川原莉奈)

日本の気候変動への当事者意識の低さが浮き彫りになった
日本の気候変動への当事者意識の低さが浮き彫りになった

エネルギーを取り巻く問題は今や、気候変動対策と経済、安全保障を同時に左右する多層的な課題として、各国の政策に大きく見直しを迫っている。

イラン戦争前(2026年1月~2月)に実施されたイソプスの調査では、63%が他国エネルギーへの依存に不安を抱いていることが明らかになった。さらに55%が、真の自立が得られるのであればエネルギーコストの上昇を受け入れると回答している。

その後の中東情勢の緊迫化は、もともと高まっていた懸念をさらに深刻化させ、エネルギー安全保障を「生活に直結する現実的なリスク」として一層強く認識させる結果となった。

こうした認識の変化は、結果として石油依存からの脱却に向けた構造転換を後押しする側面も持つ。

実際に米国では燃料価格の高騰を受けて58%が車の利用を減らしていると回答した。オーストラリアでも一部の州で公共交通の無料化が実施されたほか、2026年3月のEV販売台数が前年同月比で50%増加するなど、環境と安全保障の両面から移動手段の見直しが急速に進んでいる。

一方で、こうしたエネルギー問題と密接に関わる気候変動への意識に目を向けると、日本では「自分ごと」と捉える意識の低さが課題として浮かび上がった。

「個人が今すぐ気候変動に対処する行動を取らなければ、次世代の期待を裏切ることになる」という問いに対し、日本で同意したのは35%にとどまり、31カ国中最下位だった。

世界がエネルギー転換の現実に直面する中、日本の立ち位置も問われている。

【調査概要】
・調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
・調査対象: 世界31か国23,704人
イプソスはインドでは18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他すべての国では16~74歳の成人
・実施日: 2026年1月23日(金)から2026年2月6日(金)
・調査機関:イプソス

kawahara

川原莉奈 (オルタナ編集部)

早稲田大学理工学部卒業後、大手自動車関連メーカーで7年間勤務。その後、「全く異なる世界を見てみたい」との思いからフリーランスに転身。ファッション・ライフスタイル系のWebメディアでデスク、エディター、ライターを務める。2023年からは、並行してNPO法人にてWebデザインや広報を担当し、社会課題への関心を深める。ライターとしてのモットーは「複雑なテーマを整理し、シンプルに伝えること」。

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キーワード: #脱炭素

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