LINEヤフーやNECなど9社、専門性生かして能登でプロボノ: AI支援も

記事のポイント


  1. LINEヤフーやNECなど9社は連携して能登支援につながるプロボノ活動を行う
  2. 活動の名称は「プロボ能登」、LINEヤフー、NEC、サイボウズなど9社が参画
  3. 生成AIの活用支援など各社が専門性を生かして、復興支援に連携して取り組む

LINEヤフーはこのほど、能登支援に特化したプラットフォーム「プロボ能登」の活動報告会を開いた。同活動は、能登地域で被災した団体とプロボノを希望する企業をマッチングするもので、LINEヤフーやNEC、サイボウズなど9社が参画する。生成AIの活用支援など参画する各社が専門性を生かして、復興支援活動に連携して取り組む。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

5月12日に開いた活動報告会、プロボ能登では活動を始めて1年で約40のプロジェクトを展開

2024年1月の能登半島地震から2年が経過し、被災地では「復旧」から「復興」へとフェーズが移る中、新たな課題が浮き彫りになってきた。人口流出や人材不足、事業再建、情報発信――。こうした課題に対し、企業の専門スキルを活用したプロボノ活動「プロボノ能登」が注目を集める。

プロボ能登は、LINEヤフーが2025年4月に立ち上げたボランティア活動だ。能登で被災した団体のニーズを可視化し、プロボノとして支援を希望する企業をマッチングするプラットフォームだ。

プロボ能登に参画するのは、LINEヤフー、NEC、サイボウズ、デンソーなど9社。これまで累計で96人がこの活動に参加し、38件のプロジェクトを実施したという。

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■珠洲市では34%の人口減、若手職員の退職も相次ぐ

LINEヤフーと共同で事務局を務める一般社団法人能登官民連携復興センターの杉本拓哉・広域連携マネージャーは、「住民が本当にこの地域で暮らし続けられるのかを考える段階に入った」と現状を説明した。

特に深刻なのが人口減少だ。珠洲市では2022年比で34%もの人口減少となり、若い世代を中心に地域離れが進む。住まい再建の見通しに加え、仕事や医療、教育への不安が背景にあるという。行政側も人手不足が深刻で、珠洲市では若手職員の退職も相次ぐ。

現在、現地で必要とされているのは、物資よりも「外部人材」だ。杉本マネージャーは、「つなぐ人、整理する人、伴走する人が求められている」と強調した。

■リリース制作にLINEアカウントの開設支援も

報告会では、企業の専門性を生かした具体的な支援事例を紹介した。

LINEヤフーとNECの社員4人が参加した「古材レスキュープロジェクト」では、震災によって廃材になる恐れのある古材を管理するシステムを開発した。

倉庫の運用ルールを図式化し、生成AIも活用しながら管理システムを構築した。さらに、ボランティア向けにスマートフォンで確認できる簡易マニュアルも整備した。

NPO法人シングルマザー応援団への支援では、リベロとデンソーの社員が協働し、3カ月で3本のプレスリリースを制作した。「子どもの体験格差」「自己肯定感回復」「コミュニティ形成」というテーマを段階的に発信し、団体の活動ストーリーを構築した。

珠洲市最北端の宿泊施設「木ノ浦ビレッジ」では、LINE公式アカウントの立ち上げや情報発信支援を実施した。デジタルに不慣れなスタッフでも運用できるよう、「これだけやればできる」というレベルまで詳細化した運用マニュアルを作成したほか、AIを活用した文章作成方法も教えた。

LINEヤフーの西田修一・執行役員/サステナビリティ推進CBUリードは、「企業は本来、事業を通じて社会貢献するものだが、それだけでは届かない領域がある」と指摘。その上で、「各社が個別に支援するより、プラットフォームとして連携した方が持続的な支援につながる」と語った。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #プロボノ

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