LINEヤフーが再エネ100%達成: 50年度にスコープ3の「実質ゼロ」狙う

記事のポイント


  1. LINEヤフーは使用電力を100%再生可能エネルギー由来に切り替えた
  2. 同社は電力由来のGHG削減を経営上の重要課題の一つに位置付けていた
  3. 2050年度までにサプライチェーン全体でGHG排出量の実質ゼロを目指す

LINEヤフーは7月10日、2025年度に使用した電力を100%再生可能エネルギー由来に切り替えたと発表した。これによって、同社単体の事業活動に伴うスコープ1、2の温室効果ガス(GHG)排出量の「実質ゼロ化」を実現した。今後は2030年度までにグループ全体のスコープ1、2の実質ゼロ化、2050年度までにサプライチェーンを含むスコープ1~3の実質ゼロ化を目指す。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

LINEヤフーの脱炭素目標、IT企業という事業特性から再エネ調達に力を入れてきた

LINEヤフーグループは、検索サービスやオンライン広告事業などを展開しており、大規模なデータセンターやサーバーの稼働に多くの電力を必要とする。こうした事業特性から、電力由来のGHG排出量の削減は経営上の重要課題と位置付け、再生可能エネルギーへの転換を進めてきた。

2025年度に使用した電力を100%再生可能エネルギー由来とし、自社で削減が難しい排出量については、森林由来のJ-クレジットなどを活用してオフセット(相殺)した。

再エネの導入では、単に環境価値を購入するだけでなく、新たな発電設備の建設につながる「追加性」を重視した点も特徴だ。

同社は2025年1月、岡山県真庭市で建設が進む「真庭太陽光発電所」を対象に、ヴィーナ・エナジー(東京・港)と初めてバーチャルPPA(仮想電力購入契約)を締結した。年間8500万kWh分の非FIT非化石証書による環境価値を20年間購入する契約で、ゴルフ場跡地を活用した新たな太陽光発電所の建設を後押しする。

岡山県真庭市で建設が進む「真庭太陽光発電所」

企業が再エネを購入するだけでなく、新たな発電設備の整備を促す「追加性」の高い調達は、脱炭素経営の質を高める取り組みとして近年注目を集めている。

■次の課題は「サプライヤーエンゲージメント」

LINEヤフーは国際イニシアチブ「RE(アールイー)100」にも参加し、事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げてきた。今回の達成は、その取り組みの一つの節目となった。

もっとも、同社が次の目標として掲げる2050年度のネットゼロ達成には、より難易度の高い課題が残る。それがスコープ3の削減だ。

スコープ3は、原材料やサービスの調達、物流、製品・サービスの利用など、サプライチェーン全体で発生する間接排出が対象だ。IT企業の場合、サーバー機器の製造や委託先の電力使用など、自社だけでは管理が難しい排出源も多い。

このためLINEヤフーは、サプライヤー調達方針に環境配慮の項目を組み込み、契約やエンゲージメントを通じて取引先と連携しながら排出削減を進める方針だ。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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