論説コラムーオシャレにお店の「食品ロス」をレスキュー

原田勝広
オルタナ論説委員
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いまやSDGs(持続可能な開発目標)の大ブーム。気候変動や海洋プラスチックごみと並んで注目されているのが、ゴール12「持続可能な生産、消費形態を確保する」である。2030年までに小売・消費レベルにおける1人当たりの食料廃棄を半減させ、収穫後損失など生産・サプライチェーンにおける食料損失を減少させることが求められているのだ。

食品ロスはどれほど深刻か。フードロスは合計で1,661万t。生産から流通、消費のプロセスをみると、食べられなくて加工の過程で除去される骨、皮なども多く、これを除く本当の意味の食べられるのに捨てられているフードロスは621万tとなる。このうち何と家庭が半分ちかい282万tもある。一方、食品事業者関係はというと339万tとやはりこちらも多い。ゴミ、貧困、CO²の問題ともからむだけに放置はできない。2019年5月には食品ロスの削減を総合的に推進する食品ロス削減推進法が成立したほどだ。

家庭の食品ロスは、まとめ買いでもするのか、未開封や手つかず食品を平気で廃棄する人が多いのが原因というから驚く。こちらはわれわれの努力で何とかなるかもしれない。逆に食品事業者関係は賞味期限の表示などが論議の対象とあって個人の手の届かない領域のような気もするが、必ずしもそうではないようだ。

Co Cookingの川越一麿社長が注目したのが中食、外食のフードロスだ。お客さんの手前、店内の棚を空にするわけにはいかないとか、レストランでの予約のドタキャン、バイキングの食べ残しなど様々な事情で余ってしまった食品、あるいは、間違いなく残りそうなもの、それを安価で求めている食べ手と結ぶ「TABETE」というソーシャル・ビジネスを2018年4月から日本で展開している。

実はこれ、デンマークのToo Good To Goを参考に考え出した仕組みだという。欧州では先駆的に始まっているのだが、実は米国でもアジアでも同様の試みが広がっている。日本はむしろ立ち遅れているのである。フォーラムで、SDGsだ、食品ロスだと、難しい顔をして目を吊り上げて議論するばかりが能じゃない。廃棄されそうな食べ物をテイクアウトすることによって、おしゃれで、気軽に参加できる食品ロス防止策、あなたもやってみませんか。

お店の「食べてー」のお願いを、食べたい「食べ手」につなぐ、この仕組みは簡単だ。事前に会員登録をしてインターネットのTABETEのアプリを開くと、パン屋さん、焼き肉店、割烹、カレー、イタリアン、カフェなどがテイクアウトしてほしい食べ物が店ごとに付随情報とともに表示してある。

例えばこんな具合だ。
・〇〇パン
・駅から徒歩5分
・引き取り時間16:00~18:30
・定価1000円→600円

お店をタップするとテイクアウト希望の食べ物の写真、お店の住所、地図も掲載されているから便利だ。
気に入ったら引き取り時間と個数を入力し、クレジットカードで料金決済して、後は品物を取りに行くだけだ。一個売れるごとにCo Cookingに手数料が入る。

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原田勝広
オルタナ論説委員
日本経済新聞記者・編集委員として活躍し日本新聞協会賞を受賞。明治学院大学教授に就任後の専門はCSR論、NGO・NPO論、社会起業家論。2018年より現職。著書は『CSR優良企業への挑戦』『ボーダレス化するCSR』など多数。

2019年10月15日(火)9:00

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