原田勝広の視点焦点:「妊婦さん、私が席を譲ります」

原田勝広
オルタナ論説委員
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性悪説は、中国の筍子が「人の性は悪なり」と唱えたことによるとか。紀元前3世紀ころのお話です。

一方の性善説は孟子です。どちらが正しいのでしょうか。私自身は善人と悪人がいるのではなくひとりの人間の中に善と悪が内在しているのではと何となく考えています。

最近、ある人からこんな話を聞きました。人の本性は善だから人を信じるべきであるとか、逆に本性が悪だから人を信用してはならないというのが性善説、性悪説に関する通説だが、それは間違っているというのです。

それでは正しい解釈とは何か? 「人間の本性は先天的に善だが成長するなかで悪行を覚える」というのが性善説。

「生まれつきは悪だが成長とともに善行を学ぶ」のが性悪説なのだそうです。

要はどちらも人間は悪でもあり善でもあると言っているのです。とすれば問題はその現れ方ということになりそうです。

その場の雰囲気、その人の心理状態により悪と善のどちらが引き出されるのか?
こんなことを考えたのは、インターネットで悪意に満ちた書き込みを見かけるからです。匿名だからか人間性を疑うものもあります。

典型的なのは妊婦さんがつけるマタニティマークへの心無い行為でしょう。

ある意識調査によると、マークをつけていることで不快な思いや身の危険を感じたことがある妊婦さんが何と9.7%もいました。

「妊娠がなんだ。席をかわれってこと?と突然言われた」「優先席前で『本当に妊婦なのかよ?』と舌打ちされた」というのはまだしも、「お腹を叩かれた」という人も存在します。

もちろん、妊婦さんをサポートしてあげたいという人は67.6%もいるのですが、日本人はおとなしくてなかなか行動に移せないのが実情です。

そんななか、今実用化が進行しているのが一般社団法人PLAYERSの&HAND(アンドハンド)という興味深いサービスです。

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原田勝広
オルタナ論説委員
日本経済新聞記者・編集委員として活躍し日本新聞協会賞を受賞。明治学院大学教授に就任後の専門はCSR論、NGO・NPO論、社会起業家論。2018年より現職。著書は『CSR優良企業への挑戦』『ボーダレス化するCSR』など多数。

2019年10月23日(水)17:51

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