プラの「サーマル」はリサイクルではない(下)

リサイクルは循環の輪を回すために

ごみピットの巨大クレーン

サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の視点でモノの流れを考えると、モノを修理しながらできるだけ長く使い、廃棄する際にはまた新たな製品の原料になるようなリサイクルをすることは重要だ。

すぐに燃やしてしまっては、循環の輪は回らない。これまでのように、少し壊れたからといって修理もせずに捨てて、買い直すことが一番安くつくような経済システムでは、天然資源が枯渇してしまうばかりか、危険なほど生態系や生物多様性が破壊される。

そうであれば、修理やリサイクルしやすい製品設計をすることは必須だ。そして、それができるのは生産者だけなのだ。そのため、循環型社会の土台には、使用後の回収・リサイクルにまで生産者が責任をもつ「拡大生産者責任」が必要だ。

これまでの社会は、明らかにプラスチックの取扱いに失敗した。それでもすぐにはプラスチック製品をなくせない。そうであれば、リサイクルしにくいワンウェイプラスチックを減らしつつ、しばらくの間なんとかプラスチックとうまく付き合わざるを得ない。

その付き合い方として、焼却による「サーマルリサイクル」は選択肢にならない。プラスチックは、資源として再利用することが本当の「リサイクル」なのだと思う。

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栗岡 理子
1980年代からごみ問題に関心をもち、活動しています。子育て一段落後、持続可能な暮らしを研究するため、大学院修士課程に進学。2018年3月博士課程修了(経済学)。専門は環境経済学です。

2020年9月4日(金)19:35

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