記事のポイント
- 電通総研の調査で、ESGレポートなどを作成・開示する企業は7割超に達した
- データ管理のシステム化が進む一方、6割超で表計算ソフト依存の作業が残存する
- プライム企業はSSBJ開示が義務化となる中を見据え、データ管理の整備が課題だ
電通総研が国内企業500社を対象に実施した「2026年 ESG企業動向調査」で、ESGレポートなどを作成・開示する企業は72.6%に達した。一方、ESG情報管理ツールを導入した企業でも、64.7%が「表計算ソフトなどを使ったシステム外の作業が半分以上を占める」と回答した。プライム上場企業にSSBJ基準でのサステナ情報開示が段階的に義務化される中、データ管理の体制整備が課題となっている。(オルタナ編集部・川原莉奈)

ESG情報の開示が広がる一方、そのデータをどう集め、管理するかが企業の課題になっている。
電通総研の調査によると、ESGレポートを作成・開示している企業は72.6%に達した。未開示を含む作成率は94.0%となり、企業の焦点は「開示の有無」から「開示品質の向上」へと明確に移行している。
だが、データ管理の現場では非効率な実務が浮き彫りとなっている。
ESG情報管理やGHG(温室効果ガス)排出量算定のツールを導入している企業は52.4%と半数を超えたものの、そのうち64.7%が、データの収集・加工・確認などで「表計算ソフトウエアなどを使ったシステム外の作業が半分以上を占める」と回答した。
システム外作業が発生する最大の要因は、「拠点間のデータ形式・粒度の不統一」(49.0%)だ。次いで「ツールの開示項目への対応不足」(38.5%)、「他システムとの連携不足」(32.8%)が続いた。
で、データの標準化が最大の課題.png)
こうした背景もあり、ESG情報管理の課題では「データ形式の不統一・管理の煩雑さ」が43.6%で最多となった。「データの信頼性基準の不足」(28.6%)、「収集の効率不足」(27.6%)も挙がった。
2027年3月期からは東証プライム上場企業に対し、有価証券報告書でのサステナビリティ基準委員会(SSBJ)基準に基づく情報開示が段階的に義務化される。開示情報の網羅性や正確性が問われるなか、データ信頼性の確保が不可欠となる。単にシステムを導入するだけでなく、実務に即したプロセスの標準化と内部統制の整備を進められるかが今後の鍵を握る。
【調査概要】
・調査名:2026年 ESG企業動向調査
・調査期間:2026年5月29日(金)~6月2日(火)
・調査対象:以下の条件をすべて満たす国内企業の役職者
・ 年商500億円以上の企業勤務者
・ 係長・主任職相当以上の役職者
・ 社内のESG取り組み状況を把握しており、関連業務に関与している者
・調査方法:電通総研マーケティング部門によるWebアンケート
・有効回答数:500社



