EU、曖昧なサステナ表示を禁止:「消費者エンパワメント指令」とは

記事のポイント


  1. EUは、「グリーン移行のための消費者エンパワメント指令」の適用を始めた
  2. 曖昧なサステナビリティ表示を不公正な取引慣行として禁じる規制だ
  3. 重大な違反の場合、制裁金は当該国での年間売上高の4%に達し得る

EUは2026年9月末から、「グリーン移行のための消費者エンパワメント指令」(EmpCo指令)の適用を始めた。曖昧なサステナビリティ表示を不公正な取引慣行として禁じる規制で、EUの消費者に売る限り日本企業も例外ではない。重大な違反の場合、制裁金は当該国での年間売上高の4%に達し得る。(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長=潮崎 真惟子)

背景にあるのは表示への不信だ。サステナビリティを掲げる商品が急増する一方、その中身は玉石混交となった。20年の欧州委員会の調査では、確認した環境主張の半数超が曖昧または誤解を招くもので、4割は裏付けが確認できなかったという。

本規制により、例えば「環境にやさしい」「エコ」「生分解性」といった一般的な表現は、同じ媒体上に具体的な根拠などが併記されない限り使えなくなる。包装だけが再生材なのに製品全体を「再生材使用」と謳うような誇張表記や、裏付けのない将来目標の宣言も同様だ。

サステナビリティラベルとして表示できるのは、公的機関が設立した制度か、認証スキームに基づくものに限られる。

認証スキームには、独立した第三者による監査、基準と手続の公開、ラベル所有者から独立した監視と違反時の制裁手続、すべての事業者に開かれた参加などが求められる。こうした要件を満たさない企業独自のマークは原則使えなくなる。

見落とされがちだが、EmpCoは環境表示だけの規制ではない。適正な賃金、安全な労働環境、人権尊重などの「社会的特性」に関する表示も、誤認表示規制の対象として明記された。実質的に「ソーシャルウォッシング」を抑止する側面もある。

■根拠なきラベルは消える

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shiozaki

潮崎 真惟子(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)

デロイト、オウルズコンサルティングにて企業・政府・NPOに対する事業戦略やサステナビリティ分野のコンサルティングや人権デュー・ディリジェンス事業に従事し、2021年より現職。「児童労働白書2020」執筆

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