原田勝広の視点焦点:「顔の見える電力」人気のなぜ?

しかし、それが原発だったり、あるいは火力発電で、油の先をたどれば、アラブの王様の懐に自分の電気代が行っているとしたら。

再生可能な太陽光や風力発電をもっと応援したいと思っている人なら、ちょっと考えてしまいますよね。

みんな電力はそんな人の心をくみ取ることに成功したに違いありません。法人でも個人でも好きなところから電力を買えるというのがみんな電力の売りですが、サポーターは「未来の地球のために二酸化炭素を出さない再生可能エネルギーを」という同社のミッションに共感しているのです。

どんなところで電気ができているのか、発電所はどこだ?と改めて調べてみて驚きました。例えば、マサカリかついだ金太郎のふるさと、小田原市桑原にある「おひるねみかん発電所」(神奈川県)。

まさに昼寝をむさぼっていた耕作放棄地をひっぱたいて目をさまさせ、ソーラーパネルを並べて太陽光発電をしています。

農業と自然エネルギーの両立を目指すソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)です。

千葉県匝瑳市飯塚はソーラーシェアリングが盛んな所だそうですが、経営母体の千葉エコ・エネルギーは千葉大学の特任講師(当時)と学生が立ち上げた大学発ベンチャー。

設備の下に大豆や麦を栽培して農薬や化学肥料を使わない農業を実現しています。耕作放棄地が減少し、新規就農の受け入れが検討されるほどになっているとか。地域に希望の灯がともっています。

長崎県五島市が所有する崎山沖2MW浮体式洋上風力発電。この形式としては日本初。海に囲まれた日本列島では大きな可能性を持っており、秋田、山形など日本海側でも構想があるようです。

こんな発電所が全国に200もあります。顔が見えるのはもちろん、思いやりや人生観、心までが伝わって来ます。

供給者側の顔が見えることで消費者の意向も反映しやすいのが特徴です。東京都世田谷区は長野県と連携をしているのですが、区内の保育園43カ所が長野県の水力発電の電気を購入しています。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..